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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/10(金) 23:05:25.53 ID:8cGndw7w0
過去に遡ること3年
その話をしようと思う



2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/10(金) 23:08:45.19 ID:8cGndw7w0
一応スペック


当時18歳、高校二年
学校が嫌いで、また人間関係においてもあまり器用ではなく、ぼっちだった
身長が高く、普通の体型
深夜の散歩が趣味で、特に冬が好き



3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/10(金) 23:19:41.66 ID:8cGndw7w0
三年前の冬
俺は北海道のとある学校に通う男子高生だった
学校はあまり好きではなくサボり気味で、人間関係においても高校では上手くいかなかった
中学の時、サッカー部の主将と生徒会長をやっており、勉学においても10位以内の成績を収めていた
自分で言うのもなんだが、ある程度みんなの輪の中心にいたと自負していた
その俺が中学に入り、上手く人間と付き合うことができなくなっていった
みんなに合わせるのがやっとだった
そして、高校において出来た友達なんていなかった
サッカーもやめ、バスケ部に入部するも一学期のうちにやめてしまった
とにかくなにもかもが上手くいかなくなってしまい、学校自体がなにも楽しくなくなっていた。

一年生の頃は幾分かましだったが、二年に入ってからは苦痛しかなかった



4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/10(金) 23:27:05.32 ID:8cGndw7w0
二年の秋までは踏ん張っていた
なんとか勉強でついていこうとしたが、進学校と言うこともあり、自分の成績も伸び悩んでいた
順位も下から数えた方が速いくらい…

冬に入り、俺は学校をサボり始めた
何が楽しくてあの学校にいかなきゃいけないのか
勉強しても成績も上がらず、ふて腐れていた
その時の俺は特に趣味もなく、楽しみもなかった
そんな俺が唯一楽しみだったのは、深夜2時過ぎくらいの真夜中に家を抜け出し、散歩することだった
冬の夜はなぜか明るい
周りが街頭と雪景色で綺麗だった
晴れている日は放射冷却で気温がとても低かったが、とにかく月や星が綺麗だった
オリオン座は一番綺麗に輝いていたのを覚えている
その中を歩いていると、気分が落ち着き、いつもつまらなかった日々を一時でも忘れさせてくれた



5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/10(金) 23:48:54.52 ID:8cGndw7w0
夜なのにどうしてこんなに明るいんだろうと思っていた
本当に感動的で、ずっと夜が続けばいいと思ったこともある
光が散りばめられていた

しかし、ある日その深夜の散歩を父親にばれてしまったことがある
俺の父親は厳格で、そんなことは許してくれることもなく、怒鳴られ殴られた
それに、成績不振と学校をサボることにも厳しく言及してきて、さらに父親が苦手になった
自分が悪いことは十分わかっていた
だが、当時の俺は苛立ちしかなかった

昔から父親が苦手である
それは幼少期から毎晩母親を泣かせていたし、苛々しているときは俺にも当たってきていたからだ
朝起きれば家具が壊れていたなんて日常茶飯事

このことなども原因で、家にいるのが嫌になっていた

恋愛においても不器用だし、彼女はいたことがなかった
中学の頃、顔は下の中といわれていたし、自分に自信はない
ただ、中学は自分が周りからは認められていたというのもあり、一度だけクラスの女子から告白されたことがある
しかし、断った
その時自分は違う子が好きだったからだ



6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 00:51:35.41 ID:vWdwoles0
父親にばれたあの日から俺が深夜抜け出さないか監視するようになった
苛々していた俺は昼に予めハシゴをかけておいて、深夜になると静かに窓からその梯子を伝って下に降りるようになった
勿論梯子はちゃんと片付けていたが

今も鮮明に覚えているが、その日の真夜中は吹雪いていた
時間も午前三時
俺は外に出ようか出まいか迷っていたが、結局出ることにした

そして、俺は公園で不思議な女に出会う



7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 01:09:59.19 ID:vWdwoles0
いつもの様に街頭に照らされてた道を歩いて行く
だいたい散歩コースはきまっていて、自分の家の前の道は坂になっていて、その下っている最中に
トンネルがある
そこを抜けてさらに行くと川があり、川沿いを歩いて行くと公園にぶつかるのだ

その日は雪のせいで視界がまったく開けなかった
気温も低く、寒いというよりかは痛い
車道は車は一台も通らず、街頭の光だけが、雪を照らしている

公園に到着し、そこですこし休もうと思っていた
この公園は広い公園で、遊具のほか、バスケコートや小さな野球場、近場の幼稚園の運動会に使うような
広い場所もある
その一角にベンチが並んでいるところがある
いつもその並んでいるベンチの真ん中に座っていた
俺がそのベンチに向かおうと歩いて行くと、変な声が聞こえてきた

―誰か居るのか…?―

俺は心霊的ななにかかも知れないと思い、怖くなった
その声のする方へさらに向かっていると、人影らしきものが見えた
そこにはフードをかぶって、この極寒の中アイスを食べている女の子がいたのだ



8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/11(土) 01:10:34.38 ID:KZaiAW9IO
なんか物語ちっくなかきかただね


9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 01:12:14.76 ID:vWdwoles0
>>8
なんか癖でww
一応今は昔話だから、ある程度美化されてる部分はあるかも知れないです
この子との話をするには昔話が必要なんですよ



10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/11(土) 01:14:09.99 ID:rXj1yS87o
fmfm、続きが気になる。


11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/11(土) 01:19:35.73 ID:KZaiAW9IO
>>9
ほお。
続きよろ



12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 01:34:24.41 ID:vWdwoles0
俺は驚いていた
まさか吹雪の真夜中にベンチに座っている女の子がいるなんて…
しかもアイスを食べながら…

なんだか気味が悪かったのだが、なんとなくその子の食べる姿を横目に見ながらその場を去ろうとした
俺が彼女の真後ろを通ろうとした時に彼女が声を出した

「寒い」

―そりゃ当たり前だろう…―
俺はそう思った

その声に反応することなく、歩いているとまた声をかけてきた

「無視はいけないと思うよ。こんな吹雪の日に歩いているそこの人」

―なんなんだこの女は…―
そう思ったのだが、俺は振り返った
振り返ると彼女がアイスを口に咥えながら、こちらを見ていた
しかし、吹雪いてるせいでそこまで鮮明には顔は見えていない
俺は恐る恐る声をかけてみた

「なんですか…」
「なんですかじゃなくて、こんな吹雪いてる真夜中になんで外歩いてるの?」
「いや、それはあなたも同じじゃないかな。しかも、アイス食べてるし…」
「吹雪いてる日のアイスっておいしいんだよ」
「そうなんですか。しかし、なんでこんな真夜中に公園なんかに」

俺がこう問いかけると、彼女は空を見上げながら

「夜がとても好きなんだよ。特に深夜外にいることが」

―俺と同じだ―

「どうして?」
「理由はないよ。じゃああなたはどうして?」
「夜が好きで、真夜中の散歩が好きだから」
「ふーん」

俺はなんとなく彼女をもっとしっかり見ようと感じた
彼女に近づいていき、徐々に顔が鮮明に映し出されていった



13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 02:00:00.97 ID:vWdwoles0
公園にある街頭がすこしだけ彼女の顔を照らしていた
髪はフードのせいで詳しくは分からなかったが、肩まであるショートヘアーで、目は大きく、口元にある小さい黒子が印象的だった
肌は雪と同化しているように白く、きめ細かだった
端的に言えば可愛かったのだ

彼女が座っているベンチのすぐ横の雪を払い、手でベンチを叩いて、隣に座るように催促してた
俺は彼女の隣に座り、なんとなくぼやっと吹雪いていて、まったく何も見えない前方を眺めていた
彼女はアイスを小さな口で食べていて、それが食べ終わるとまた話しかけてきた

「寒くないの?」
「寒いよ。あなたこそ寒いだろう。アイスなんか食べて」
「寒いよ。でも癖なんだよね。寒い日にアイス食べるの」
「体に悪い癖だね」
「そうかな。まあ美味しければそれでいいよ」
「そういう問題なのか?」
「うん。いつもこんな夜中に散歩してるの?」
「まあ日課とまでは言わないけど、頻繁にしてると思うよ」
「そうなんだ」
「うん」

しばらく沈黙が続く

「そんなに何も見えない景色眺めてたのしい?」
「いや、ぼーっとしてただけだよ」
「ふーん。変な奴」
「変な奴って、あなたも負けじと劣らず変な奴だよ」
「ありがとう」
「え?」
「褒めてくれたんでしょ?」
「は?」
「え?」

俺は今まで出会ったことのないタイプの人間に出会ったのだろう
話がまるで噛み合わない
彼女は食べ終わったアイスの棒を俺に渡した

「え?何これ」
「捨てといて。ポイ捨てはだめだから」

俺が言い返そうとすると、彼女は立ち上がり、何も言わず、俺が来た方向とは真逆に歩いて行った
吹雪の中に消えていく彼女を声をかけることなく、ただただ影が消えるまでいつまでも見つめていた
俺の右手には彼女の食べたあとのアイス棒があり、それはすっかり冷たくなっていた
空を見上げるとすこし雲が切れ、そこから月の光が朧ながらも差し込んでいた

家に帰り、アイス棒を捨て、ベッドに入るがその日俺は眠れなかった



14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 02:17:46.51 ID:vWdwoles0
眠れないまま朝を迎えた
なんとなく何時間か前のことを思い出す
俺は年齢も名前も知らない女の子と話し、しかも何故かそれについて聞かなかった
聞かなかったと言うよりかは、聞かなくてもいい気がしたのだ

その日の学校はいつも通り詰まらず、外を眺めて過ごす
朝と昼は嫌いだった
周りががやがやと五月蠅いし、太陽の光が苦手だった
それがあるから冬は好きだ
日照時間が短い季節だから
誰からも話しかけられることはなく、ただ何の意味もなく教科書に目を通す
慣れというのは怖いもので、孤独というものに関しては何も憂う気持ちはなくなっていた
しかし、この日の俺がぼーっとしていたのはなんとなく深夜の彼女の姿が思い出されていたからだった



15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 03:03:56.82 ID:vWdwoles0
学校の帰り
俺は家には真っ直ぐ帰らず、公園に寄ってみた
日が出ている公園は人がいて、夜の姿とは真逆だった
とても暖かな、微笑ましい光景が目に映し出されていた
なんとなくであるが、虚無感があった
漠然としていて、なんと伝えていいのかわからない気持ちとでも言えばいいのか

家に着くと、誰もいない
母親も働きに出ていて、姉弟もいない
窓に梯子をかけておき、部屋に戻りベッドに突っ伏した
知らぬうちに意識が飛んでいたのか、窓を見れば外はすっかり暗くなり、静寂が空間を包んでいた
時計に目を遣ると、すでに12時過ぎだった
腹が減り、キッチンに向かうが俺の分はなかった
コートを纏い、財布を持って梯子を下りてコンビニに向かった
空は雲一つない晴天で、月が眩しいくらい光輝いていた
しかし、太陽にように身を焦がしてしまうような光ではなく、冷たいながらも優しく包んでくれるようなそんな光だった

コンビニで弁当と茶を買い、時々空を見上げながら公園に向かった
弁当を食べたいのは二の次で、もしかしたらあの彼女がいるのではないかという期待を込めて

しかし、ベンチには誰も座っておらず、ベンチの上には雪化粧がしてあった
俺は払い、座ってこの前は見えなかった前方の景色を眺めながら弁当を口にした
そこに広がっている景色は海が見え、街の至る所にある街頭が点々とある綺麗でありながらも、切ないものだった

弁当を食べ終わり、冷えているベンチに仰向けになり天体観測を始めた
子どものころ辞典で読んでいたせいか、なんとなく星座がわかる
寒いのだけれども、寒さは感じない
しばらくそうしていると、足跡が聞こえてきた



16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 03:04:30.63 ID:vWdwoles0
では、寝ます
また



17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/11(土) 03:09:01.34 ID:rXj1yS87o
おやすみー続き楽しみにしてる。


18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 03:39:26.77 ID:vWdwoles0
ありがとうございます
今でもこの話は進行してまして、多分明日には追いつきますwwww



19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 03:46:53.90 ID:DNN+gjano
楽しみにしてるよ
文が良いから引き込まれる
ゆっくりじっくり慌てずマイペースで書いていってね



20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 12:46:33.90 ID:vWdwoles0
>>19

有り難う
今からまた少しだけ書き込みます



21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 12:48:20.68 ID:vWdwoles0
足音がしたのだが、俺は振り向かず空を見続けていた
すると、誰かが俺の顔を覗き込んできた
「そこあたしの特等席なんだけどな」
そこには茶髪のショートヘアーの子が立っていた
昨夜の彼女だった

俺は体を起こし、昨日と同じように並んで座った
どことなく自分自身が緊張していたのを覚えている
彼女はコンビニの袋からまたしてもアイスを取り出して、食べ始めた
それもこの前と同じアイスだ
彼女は俺の足下に目を遣った

「こんな夜中に弁当?体に悪いよ」
「寝過ごして晩飯食いそびれたんだよね」
「ドジだね君って。しかも、またこんな夜中に公園来て」
「あなたも同じだろう」
「うーん。そうだっけ」
「そうでしょ」
「ちょっと待って。アイス食べるの集中したいから話しかけないでね」

どれだけアイスに執着しているのだろうかこの子…

アイスを食べ終わると、また俺の右手に残った棒を差し出してきた
俺はそれを何も言わず、弁当の空箱が入っているビニール袋に入れた

彼女は景色を一望しながら呟いた

「本当に綺麗。あたしはここの景色が好きなんだ」
「わかるよ。なんとなく切ないところが特に」
「へー。あたしと似てるような感想だね」
「似てるのかい」
「うん」

彼女の瞳は悲しそうだった
でも、それはとても魅力的で、奥深さがあった
それに俺は引き込まれるように彼女の顔を見入ってしまっていた



22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 12:50:02.95 ID:vWdwoles0
彼女に声をかけられ、ふと我に返る
彼女は俺の散歩コースを一緒に歩いてみたいといい、俺は快く承諾した

寒空の中、二人で雪を踏んだときの圧雪する音を聞きながら歩いた
この時の散歩道はいつも以上に綺麗だった
それは彼女という装飾品があったからだろう
彼女は終始笑顔で歩く街を見渡していた
時々、すごーい、綺麗だなー、と感嘆の声が漏れていた

俺は彼女を素敵だと思った
彼女は普通の人よりも純粋な心をもっていると感じたからだ
変哲もないいつもの町並みを彼女は素直に綺麗だと言う
彼女の世界にはどれだけ美しいもので溢れているのだろう
それを考えるだけで、俺の気持ちは温もりに似たものが生まれた


散歩を終え、公園のベンチにまた戻った
ベンチに腰をかけると彼女は言った

「本当に良かった。またあなたと一緒に真夜中の散歩がしたい」

俺も同じ気持ちだった
俺は二つ返事をし、彼女は俺が見えなくなるまで手を振り続けた
それに応えるように、遠くになればなるほど両手を広げ手をふった
いつまでも彼女とのやりとりが終わらないように


この夜から、真夜中の俺と彼女の不思議な関係が始まった
彼女との出会いは俺の暗い日々に光を与えてくれた
太陽ではなく月の優しい光だった



25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/11(土) 13:05:46.70 ID:vWdwoles0
つまらん昔話にもうしばらく耐えて下さい


26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) 2012/02/11(土) 13:06:15.39 ID:dXqrze8/o
読んでるよ!1が北海道でめちゃくちゃ寒く感じるww


28 :1 2012/02/11(土) 13:19:09.87 ID:CyCd2uzAO
寒い
携帯から失礼します

物語っぽく書いてるのは昔話だし、ある程度自分の中でまとめられてるからです
もっと言うと意図的に物語調にして、風景とか雰囲気を感じてほしいだけです

俺がこの話をしたくなったのは前にも書いた通り、現在変化が起きたからです

だから
もうしばらく我慢してください



29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/11(土) 13:45:40.14 ID:KZaiAW9IO
楽しく読んでるよ!


31 :VIPにかわりましてパー速民がお送りします(ソマリア) 2012/02/11(土) 14:42:04.51 ID:m134WE2f0
正直期待している

恋愛要素あり?



32 :1 2012/02/11(土) 15:21:49.90 ID:vWdwoles0
ただいまです

ありがとうございます

恋愛の話が主ですね
それに関わる周りの環境ですね

ではまたゆっくり書いていきます



33 :1 2012/02/11(土) 16:01:37.60 ID:vWdwoles0
俺は散歩の時携帯は持ち歩かないようにしている
鳴ることはないけれど、もし途中で鳴ったりすれば気分が削がれるからだ
彼女と出会ってから毎日真夜中の散歩をするようになった
時間は午前1時から午前4時のだいたい三時間くらいだ
この三時間が彼女と会える唯一の時間だった
学校や家庭で過ごす三時間は永遠のように感じるが、彼女と過ごす三時間は一瞬にして終わる
アインシュタインはこのように小さな子どもに相対性理論を教えたのだとかなんとか

真夜中になれば公園のいつものベンチで彼女と出会う
晴れの日も吹雪の日もそれは変わらなかった
二人の第一声はいつも「真夜中の散歩は楽しい?」というもの
それはもう二人の合い言葉のようだった
ある時は俺の散歩コースを歩き、ある時はそのままベンチでただ喋っているだけだった
勿論彼女は毎日アイスを食べているのだ
雪女なのかと感じることもあるほどだ

二週間を経過した頃だ
俺がいつものように家を抜けだし、散歩コースを歩いて公園に向かった
ベンチにはすでに彼女の姿があった
俺は声をかけると、彼女はアイスを食べていなかった
いつもと顔が違う感じがしたので、よくよく見てみるとアイメイクが施されてあった
いままでは化粧なんてしているところみたことがなかったが、化粧している彼女はまた大人の女の雰囲気を漂わせていて魅力的であった
彼女はあたしの散歩コースを教えてあげると言い、二人で歩き始めた
その散歩コースは長い
俺の散歩コースの倍以上の時間が掛かっていた
彼女の散歩コースはいつもの公園を俺が出る真逆の出口から出て行く
そこを出て、ちょっとした坂を上ると国道にぶち当たり、国道沿いを歩く
歩いて行くと海が近づいてきていた
その海の前には臨海公園があり、そこに行くには歩道橋を渡るのだ
勿論俺が予想した通り、到着地点は臨海公園
いつもの公園よりはかなり規模が小さいが、最近つくられたもので、遊具やベンチは新品同様で、ベンチは海を一望できるように100メートルくらい並んでいた
公園の真ん中には大きな時計があり、それをライトアップしている照明が雪に乱反射して、幻想的に映し出されていた



34 :1 2012/02/11(土) 16:17:56.04 ID:vWdwoles0
ベンチに二人で腰をかけたが、彼女はすぐ立ち上がり「すこし待っていてね」といい、どっかに行ってしまった
臨海公園は海風が冷たく、肌を強く刺激した
磯の香りが鼻につく
海には白波が立ち、なにかを物語っているようだった

しばらくして彼女がビニール袋を下げて、早足で戻ってきた
彼女がベンチに座ると、ビニール袋からなにやら物を取り出し俺にそれを手渡した
それは彼女がいつも食べているアイスだった

「ほら、早く食べないと溶けるよ」
「こんな寒い中簡単には溶けないだろう」
「いやいや、それが溶けるんだな」
「へー。でも寒い中のアイスはあまり気が進まないな」
「いいから食べなさい」

俺は震えながら、アイスを口にした
やはり寒い
内蔵まで冷え切ってしまいそうだ

しかし、そんな俺とは裏腹に彼女は笑顔でアイスを食べていた
おいしー、そんな言葉が彼女の様子からは聞こえてきそうだった

俺もやっとの思いでアイスを食べ終わると、彼女が俺に質問してきた
「君の好きな季節は何?」
「冬かな」
「そうなんだね。あたしと同じだ」
「あなたも冬が好きなの?」
「うん。真夜中が一番光り輝いて見える季節は冬でしょ。だから好きなの」
「なるほど。俺にもそれはわかるよ。似たような理由だから」
「なら太陽と月ならどっちが好き?」
「月だなぁ」

俺が応えると、彼女は白いコートの袖で口にあててクスクスと笑い出した



35 :1 2012/02/11(土) 16:32:37.08 ID:vWdwoles0
俺が不思議そうな顔をして、彼女を見ているとさらに笑い出した

「君本当に面白い。まさかあたしとここまで似てるとは思わなかったよ。あなたみたいな人と始めて出会った気がする」

俺は嬉しかった
とくに褒めている言葉はなくとも、彼女の声の調子、表情、明るさからそこに含まれたニュアンスを感じ取るには十分だった
彼女のこの言葉に関して俺も返答した

「俺もあなたみたいな人と出会ったのは始めてな気がするよ」
「要するに変な奴ってことだよ。あなたもあたしも」
「変ていうか個性的なんだろうね」
「都合のいいように言葉選んだだけでしょそれ」
「いやいや、多分個性的なんだ」
「あはは。本当に変な奴」
「だから、君もだ」
「ありがとうね」
「褒めてないって」

こんな他愛もない話が幸せだった
真夜中に見つけた小さな幸せだったんだ

そんな時間も終わりに近づいていた
時計をみればもう午前4時
臨海公園から俺の家まではかなり遠いため、俺は走った
俺が途中で後ろを振り返えると、彼女はずっと俺を見つめている
俺が振り向いたのに気づいたのか、彼女は手を振り、大声で何かを叫んでいた
しかし、風にかき消されてその声を聞き取ることは出来なかった



37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/11(土) 19:57:37.41 ID:rXj1yS87o
わくわく( ^ω^)


38 :1 2012/02/11(土) 20:17:57.98 ID:vWdwoles0
2008年も終わりを告げようとしていた
学校の二学期も天皇誕生日の前日に終業式が行われ、冬休みに入った
大量の宿題と共に…
宿題などは溜めるのが嫌なため、なんとか最初の10日間くらいで終了させた
北海道の冬休みは夏休みが短い代わりに、長い
だいたい25日間くらいが目安らしい

年末の大晦日
両親が前もって頼んでおいたおせち料理とそばが届いた
北海道は大晦日におせちを食べる風習がある
父親は大晦日と正月三が日のこの4日間だけは真夜中の外出など許可してくれていた
紅白が終わると、俺は両親に初詣に行くといい、家を出た
母親は気をつけなさいといい、父親はひとつうなずいただけだ

実を言うと初詣なんか興味はない
もっと別の目的があった

前日の真夜中のことである
俺は彼女と一緒に臨海公園に来ていた
そこで俺は彼女とのやりとりをした

「あのさ、太陽と月ならどっちが好きって聞いて、月って君は答えたでしょ」
「うん」
「あたしも同じ意見なんだ。でも、一年を通して、たった一時だけ月より太陽が好きになる時がある」
「え、それはいつだ?」
「初日の出だよ」
「あー、でも俺はまだ生まれてこの方初日の出は見たことがないんだよね」
「実はあたしもないの」

彼女はにっこり俺に笑いかけた
そして、海を見渡しながらこう言った

「この臨海公園は初日の出を見るにはいい場所だと思うよ」

俺は彼女のこの言葉がずっと耳に残っていたのだ



39 :1 2012/02/11(土) 20:36:28.11 ID:vWdwoles0
彼女のこの言葉の裏をあえて読んでみた
多分彼女は今日臨海公園に顔を出すのだろうと推測してみたのだ
しかし、家を出たのはまだ12時を回っておらず、まだまだ時間があった
俺が早く行こうと思ったのには理由があり、もしかしたら彼女が早く来たら一緒に散歩したりして時間がつぶせると思ったからだ

臨海公園に着くと、そこには誰もいない
なんとなく歩いて行くと、臨海公園のもうすこし向こうにはコンビニがあった
彼女が俺にアイスを買いに行ったときに使用したコンビニはあそこなのだろう
俺は冷えてしまった体を温めるため、ホットコーヒーとおでんを購入した

公園に戻り、ベンチに腰を掛け、ほっと一息吐いた
吐いた息は白くなり、大気中に消えていく
それを目で追い、ホットコーヒーを開け、一口口に入れた
この誰もいない公園を自分が独り占めしたような気になっていた

おでんも食べ終わった頃、時計に目をやると1時になっていた

―ああ、2008年も終わってしまったのだな―
俺はしみじみ時の流れの早さを感じていた
漠然としか描けない未来に不安を感じてはいたものの、敢えて目を背けていた
進路も決まっていなければ、自分が何をしたいかという希望さえも見つけられてはいなかった
ただ、彼女と居るときは忘れられた
しかし、逆にそれは現実逃避でもあったのだ

2009年に入ってから二時間が過ぎても彼女はまだ現れなかった
絶対にくるのだと願いながら海を眺め、空を仰いだ
空にはうっすら雲があり、月は海にひとつの花を咲かせていた
星が散りばめられ、綺麗だった

4時を過ぎても彼女はやって来ない
俺は不安と焦燥感が生まれていた
このまま彼女は来ないのではないか
と、言っても約束を取り合ったわけではないから、来なくてもしょうがないといえばしょうがなかった



40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/11(土) 20:43:30.22 ID:xvHxiVjIO
すげえ文章だな。引き込まれそうだw


41 :1 2012/02/11(土) 20:50:04.02 ID:vWdwoles0
しかし、彼女のあの言葉がただ口から出たものではないと確信していた
彼女はそのようなことを簡単には言わないと思っていたからだ

5時になり、月もどんどん西へと沈んでいく
外も車の数が多くなっていた
まだ彼女はこない
俺はもう半分諦めかけていた
まずお互い何も知らない間柄なのだ
名前も年齢も家の場所も連絡先も何もしらない
ただ、知ろうとも考えてはいなかった
彼女とのこの距離感が俺には心地よかった
なにも知らない人間同士が、真夜中のたった三時間だけで繋がっている
それが俺には魅力的で素敵に思えた

6時を目前にしたあたりで、空が深い群青色になり始めた
俺はなんとなく切なく、忘れかけていた孤独を思い出していた
ベンチから立ち上がり、前の手摺りに手をかけ、海を覗き込む
今日の海は白波もなにも立っていない、至って穏やかな海だった

俺がずっとそうしていると後ろ声がした

「真夜中の散歩は楽しい?」

体が一瞬にして熱を帯びるのを感じた



43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/11(土) 21:02:16.96 ID:SxYcoXgHo
うわあ
dkdkする



46 :1 2012/02/11(土) 21:35:46.07 ID:vWdwoles0
俺が振り向くと、そこにはいつもの彼女の姿があった
勿論俺と同じコンビニの袋を下げて
「ぎりぎりセーフ」
そういって彼女はベンチに腰をかけた
袋からアイスを取り出し、いつもの調子で彼女はアイスを口にした

「年末年始ではそれは変わらないんだね」
「うん。あたしにとっては元気の源だから」
「まああなたらしくて俺はいいと思うよ」
彼女は俺の顔を見て笑みを浮かべた
「ようやくアイスの良さがわかった?」
「別にそういうわけじゃないけど」
「あ、そう」
「これからお互い初めての初日の出だね」
「うん。晴れてるし、すごく綺麗だと思うよ。今までお互い写真でしか拝めなかった姿だしね」
「そうだね」

時計は6時15分を指していた
彼女もアイスを食べ終え、勿論その棒は俺のコンビニの袋の中だ
空がだんだんと明るくなり、月は白い影のようになっていく
それを彼女と二人で見ていた
二人で始めて朝を迎える
俺が長年嫌いだった朝だ
しかし、嫌ではなかった。隣に太陽の光で反射し、優しく輝く月があったから



47 :1 2012/02/11(土) 21:37:09.30 ID:vWdwoles0
それから約30分が経過した頃、水平線に朱色の太陽が顔を覗かせた
それは彼女の言った通りだった
写真でしか見れなかった姿だったのだが、現物は想像を遙かに凌駕していた
一瞬にして心を奪われるとはこのことなのだろうと俺は感じた
横にいる彼女に目を向けると、彼女の目頭が赤くなっていた

「本当に綺麗。一瞬だけ月より素敵な姿になるね」
「うん」

彼女の純粋な心に初日の出は強く訴えかけてきたのだろう
感涙するほどに

俺は自分の手に温もりを感じた
その温もりの方へ目をやると、彼女の手が俺の手を包んでいた
俺はまたすぐに前方を見た

昇り始めた太陽は俺と彼女を朱に染め、心を温めた
太陽は俺達に希望の花を咲かせようとしていたのだろうか
それとも、何か別の意味もあったのだろうか
俺は彼女の手をどかし、逆にその手を握り返した。彼女の頬はまたより一層朱に染まっていったように見えた
俺達は太陽が昇りきり、世界を光で満たすまで何も口は聞かず、ただただそれを眺めていたのだった



51 :1 2012/02/11(土) 21:59:05.13 ID:vWdwoles0
家に帰ると父親が起きていた

「随分遅かったな」
「友達と会ってたんだよ」
「まあ正月だから甘く見るが、あまり羽目を外すな」
「ああ、わかってる」

部屋に戻り、俺は床についた
すっかり昼夜逆転してしまっていて、朝起きていることなんてほとんどなかった
それは彼女にも言えることだろうとは思ったが、この時はあまり気には留めなかった

目が覚めると夕方になっていた
下では親戚がきていたのだろうか
がやがやと騒がしかった
俺には苦手な場である
しかし、新年の挨拶をするために俺は顔を出さずにはいられなかった
下には父親の弟の家族が来ており、みんなで卓を囲んでいた
みんなすでに出来上がっている様子で、父親もいつも以上に陽気だった
俺も席に着き、もうすでに飽きてしまっていたおせちを口に運ぶ
弟夫婦の息子が、俺の傍にきたので、俺は一緒に遊んであげた
その時、俺はこうやって父親に遊んでもらった試しがないことを思い出していた
父親は会社人間で、俺のことは母親に預けっきりだった
だから、このように父親との思い出などない
苦手意識しかもてない自分を親不孝だと自分で自分自身を咎めていた

その子が俺に向かっていった言葉が今でも俺の宝物だ

「お兄ちゃんは体大きいのにとても優しいんだね」

誰も関心を持たない自分にこんな言葉をかけてくれる人がいることに対して、俺は激しく心が揺さぶられる思いだった



55 :1 2012/02/11(土) 22:58:10.09 ID:vWdwoles0
親戚も帰り、俺はまた部屋に戻った
テレビを見ても特に興味も沸かなかった
部屋に戻り、電気をつけずに外を眺める
元旦の夜は吹雪だった
俺は部屋で吹雪いている外を見て、笑みを溢していた

こんな日に俺は彼女と出会った
しかも、その中でアイスを食べているという衝撃的な出会いであった
多分その時から縁があったのだろうと俺は感じていた
彼女以上に俺の価値観や見解を理解する人間は今まで現れなかったからだ
恋愛感情が芽生えていると言えば確かにそうかもしれない
ただ、彼女に対してはそれ以上の感情を抱いていた
まさにあの日の彼女は雪の華だった

ベットにある小さな照明をつけ、星座観察図鑑を開いた
それを眺めるのも最近増えた自分の趣味だ
夜外にいることがあるため、興味が湧いたのだ
それに目を通すとなんとなく頭に入ってくる
皮肉なもので、勉強のこととなるとこの頭が働かない
図鑑を閉じて、照明を消し、また外を眺めた
俺は出会ったあの時を思い出したくて、外に出た
出会った公園に着くと、誰もいない
今日彼女は来ないとわかっていた

あの日別れるとき、元旦から一週間は散歩をしないといっていたからだ
それが何故なのか俺は知らない

ベンチには雪が積もっている
そこにある雪を手にとり、玉にして遠くに投げた
玉は風に煽られながらも放物線を描き、落下した
俺はなんとなくコンビニに立ち寄り、アイスを買った
そのアイスをまたベンチに戻って、食べた
一人で食べる初めてのアイスで、それはなんだか別の冷たさを持っていた

「やっぱり寒いじゃないか…」

月も凍るような寒さの中、俺は時間をかけて食べ終えた
心に積もる雪が余計に食べる時間を長引かせた




56 :1 2012/02/11(土) 23:25:04.06 ID:vWdwoles0
彼女がいない一週間も俺は毎日散歩だけは欠かさなかった
新しい散歩コースでも開拓しようと考えたのだ
今日は長距離を歩いてみようと思い、臨海公園よりもっと向こうに足を運んでみた
しばらく歩くと港がある
船がゆりかごのように波に揺られていた
その上にゆっくりと舞い降りる粉雪が叙情的だった

その港を左に曲がると坂があり、それを上ると国道に当たり、それに沿って大きな駅がある
この国道は臨海公園や俺の住んでいる地域へと一本に繋がっているものだ
駅の周りはデパートや小さなホテルが陳列していた
街頭が多く、真夜中でもかなりの明るさがあった

このような普段はなにも惹かれないものでも、不思議と真夜中になると輝く宝石のようになるのだ
俺は彼女にこの新しい宝石を見せたくて、散歩コースを開拓したかった
彼女に恩返しがしたかった
俺の月となり、華となってくれた彼女、また温もりをくれた彼女に
お金もないし、地位もない
誇りもなかった
そんな俺が彼女に渡せる最大のプレゼントだと思ったのだ

一週間が経ち、彼女が訪れることを期待して公園に向かった
しかし、彼女は現れなかった



60 :1 2012/02/11(土) 23:51:00.63 ID:vWdwoles0
一月も中旬になり、三学期の始業式が始まった
結局俺はその後一週間が経っても、彼女が現れることはなかった
不安にもなったが、あまり気にしていてもしょうがないと感じたのだ
それは俺と彼女が近いようで遠いからだろう
決して交わることがない平行線を二人並んで、同じ速度で、同じ方向に歩いている
そして、その二本の線は極めて近い気がした

これからまた毎日朝と昼は詰まらない時間を過ごすのだと憂鬱な気分になっていた
教室に入ると、チョークの粉くさい臭いと机に使われている木材の匂いがした
始業式とその次の日はテストがあった
しかし、当然勉強をしていないのだから赤点ぎりぎりの点数しかとれなかった
この成績をみた父親はついに堪忍袋の緒が切れたのか、俺は殴られ、口いっぱいに血の味が広がった
次の週から俺は強制的に家庭教師をつけられ、勉強することを強いられた
それも毎回宿題が大量に出る
俺は真夜中散歩することが出来なくなってしまっていた

そのような状態が2月中旬にまで続き、すっかり彼女と俺は出会わなくなっていた

一ヶ月ぶり俺は真夜中の散歩に出かけた
期待はしなかったが、一末の希望を込めて

いつもの公園のあのベンチに向かうが、ただ雪が積もっていただけだった
俺が腰をかけ、なんとなく足下に目をやった
そこにはアイスの棒が何本か埋まっていたのだった

俺は周りを見渡した
もしかしたら隠れているのかと思ったからだ
しかし、いなかった

多分この一ヶ月間彼女はこの公園に来ていたのだろう
彼女はここに来ていたという証拠を残していた

空を見上げると、月は雲に隠れてしまっていた



61 :1 2012/02/11(土) 23:54:56.89 ID:vWdwoles0
足下に落ちていた棒を拾い、それを持ち帰り捨てた

「ポイ捨てはいけないっていっていたのに…」

でも、今回のポイ捨ては俺にとってありがたかった



62 :1 2012/02/11(土) 23:55:23.33 ID:vWdwoles0
ちょっと休憩しますww
すいません



63 :1 2012/02/11(土) 23:56:47.44 ID:vWdwoles0
またすぐ書きますね

昔話はまだ続くんだけど、大丈夫かな



64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/11(土) 23:56:49.11 ID:SxYcoXgHo
ゆっくりでいいよー
素敵な文章だ



65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/12(日) 00:09:01.44 ID:kmwJsMjlo
話が気になって寝れなくなった


66 :1 2012/02/12(日) 00:20:06.32 ID:qtFgtIkU0
では、また書いていきますね


67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/12(日) 00:24:00.52 ID:F2MrFg2Ro
wktk


68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(四国) 2012/02/12(日) 00:35:04.06 ID:I2gK4G2AO
続きが気になって寝れん


69 :1 2012/02/12(日) 00:39:28.13 ID:qtFgtIkU0
次の日俺はまた公園を訪れたのだが、彼女とは出会えなかった
しかし、俺はまたしてもアイスの棒を見つけた
それはいつもの彼女の特等席にあった
小さな雪山をつくり、その上に棒が刺さっている
その棒にはペンで次のように書いてあった

「海の見える公園で待つ」

俺は散歩でしか歩かなかった道をひたすら走った
とにかく早く着かなければという思いだけを胸に抱いて
そして、彼女に会いたくて

海の見える公園は紛れもなく臨海公園のことだ
間違いなかった
公園に着くと時間は2時
ベンチには白いコートを着た子がベンチに座っていた
俺はその子に近づき、震える声で問いかけた

「真夜中の散歩は楽しい?」

その子は振り向かず、こう返した

「うん。でも、最近の真夜中の散歩はあまり楽しくなかったかも知れない」

そう言うとようやく彼女が振り向いた
化粧をしていない彼女の顔が冷気にさらされていたせいか、赤くなっていた
右手にはアイス棒があり、それを俺に差し出してきた

「今日は二本食べちゃったよ。君が遅いから」
「ごめん。でも、俺も最近の真夜中の散歩は楽しくなかった」
「そっか。あたしと似ているね」

彼女は笑って見せた
久しぶりにみた彼女の笑顔が心に積もった雪を溶かし、月が俺を優しく照らし出した
この日俺は彼女に一ヶ月前に探し出した宝物をみせることにした

「あなたにプレゼントがある」

俺達は港に向かって散歩を始めた



72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/12(日) 00:48:28.97 ID:kmwJsMjlo
俺も今日仕事なのに寝れないわw


73 :VIPにかわりましてパー速民がお送りします(ソマリア) 2012/02/12(日) 00:54:16.63 ID:b5THNibx0
文才有りすぎwwwww


74 :1 2012/02/12(日) 01:15:56.94 ID:qtFgtIkU0
港に歩き出した俺と彼女を月が照らし出す
到着すると、この前とは違った顔をした港の姿がそこにはあった
海には月が映り、波によってその像がゆらゆらと揺らめく
船も同じリズムで揺れ、押し寄せる波の音が聴覚を刺激する
彼女は胸に両手を置いて感嘆していた

「すごい。綺麗だね。幸せだよ…。ありがとうね」

瞳を潤ませながら、しばらくその情景を楽しんでいた
俺も彼女の満足そうな姿を見て、感無量だった
久しぶりに二人で訪れたことで海が祝福してくれているのではないかと思えるほどであった

港をみたあと、左に曲がり坂を上る
国道に突き当たり、駅の周りを彼女に歩きながら見せた
この前よりも寒いせいか、空気が澄み、光が煌めいていた
一ヶ月の間にこの宝石は磨かれ、さらに価値を増して彼女に届いたであろう
彼女の瞳は映る数々の光がその中で反射し合って、また涙がそれを際立たせ、輝いていた
国道を通る数少ない車も雰囲気に溶け込んでいた

俺は満足だった
一ヶ月間一切顔を合わせなかったが、それもあってか、今日のプレゼントすべては彼女の心に届いたと思えた

俺達は国道を沿って歩いた
いつもの公園で眺めていた所を俺達は今歩いている
なんとなく不思議な気分だった



75 :1 2012/02/12(日) 01:16:44.46 ID:qtFgtIkU0
しばらく歩き、臨海公園に戻ると彼女が俺に言った
「ねぇ」
「うん?」
「今日は本当に有り難う。君にとても素敵なプレゼントを貰ったよ。君はあたしの月なのかな」
「そうだといいね」
「うん。あたしはあなたとのあの吹雪の日を忘れた日はないよ」
「俺もだよ。あなたとのあの日のことは忘れたことはないんだ」
「嬉しいな。いつも優しく温かく照らしてくれてありがとう」

俺はちょっと照れくさかった
どれだけお互いが恥ずかしいことを言い合っているのは十分承知だった
でも、そんなことは気にならないほど、俺達は俺達だけの独特の世界に入り込んでいた

時計を見ると4時を過ぎていた
俺達の関係はシンデレラにも似ている
4時を過ぎると魔法が解けてしまう
魔法が解けると、現実という世界に引き戻されてしまうのだ

「じゃあまた」

俺はその場を後にした

すると彼女は叫んだ

「ありがとうー!」

その声は周りのコンクリートで出来た建物を共鳴させ、しばらく響いていた



76 :1 2012/02/12(日) 01:27:52.31 ID:qtFgtIkU0
その後三月下旬までは前のように毎日真夜中に会っていた
三月末になり、俺は春休みに入った
そして、俺達に魔法は効かなくなり、俺達だけの世界は突如として終わりを告げることとなる



77 :1 2012/02/12(日) 01:28:52.49 ID:qtFgtIkU0
じゃ、次は詳しく何が起きたか書いていきます
見てくれてありがとうございました
おやすみなさい^^

昔話終わりませんでしたww
すいませんww



78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/12(日) 01:29:59.58 ID:pzvRpTPRo
>>77
おやすみ
落ちない程度に適当に保守しておく



84 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/12(日) 20:23:15.05 ID:qtFgtIkU0
酉つけました

では続き書いていきますね



86 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/12(日) 20:52:44.55 ID:qtFgtIkU0
春休みに入った俺はすこし温かい外気に寂しさが湧いた
もうすぐで冬が終わり、春が始める
春は命の息吹を感じさせ、新しい出会いがある季節であるが、冬が終わってしまうことに名残惜しさを感じていた
俺にとって特別なものになったからだ

三月の最後の週
俺は相変わらず真夜中の散歩は続けていた
そして、彼女ともいつもの時間帯で会っていた
彼女も冬が名残惜しいのか、すこし溶けかかった雪を見て、寂しそうであった

俺達の世界が終わる前日
俺はいつもの公園で彼女と見慣れていた景色を見ていた
今思うとその日の彼女の横顔はどこか儚げで、去っていく冬と共にどこか消えてしまいそうだった
しかし、アイスを食べている彼女の顔には笑みがこぼれていたから、俺は当時そこまで気にしてはいなかった

4時に近づき、そろそろ別れる時間となった
彼女に「じゃあまた」と言い、彼女の方を見ると彼女は俯いていた

「どうしたの?」
「…」

彼女はベンチに座ったまま無言で顔を上げ、前方を見た
そして、俺の方には振り向かずに言葉を発した

「明日は必ずこの公園にいつもの時間にきてほしい」
「え?勿論」
「そっか。絶対来てね」
「うん」
「じゃあおやすみ」

彼女はそのまま最後まで俺の顔を見ずに、前方を見続けていた
俺は踵を返し、歩き慣れた散歩道を戻った
空の月は朧月で、光が地上に届きそうで届かない
春風が吹き荒れ、木々が揺れる
なにかが始めるのか、それとも終わるのか俺には分からなかった

その日、俺は初めて彼女と約束を交わした




87 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/12(日) 21:14:44.73 ID:qtFgtIkU0
そして終焉の日
その日は湿った雪がちらついていた
日照時間も長くなり、夜は短くなっていた
俺は晩飯を食べる前に、いつものように窓に梯子をかけ抜け出せるようにしておく
晩飯を食べ終えると、部屋に戻りいつものように図鑑を眺めていた
しかし、図鑑のないようは一切入らなかった
頭の中を独占していたのは彼女の姿だけである

その原因は昨日の彼女との奇妙は約束のせいだった
彼女とは別に約束を交わさなくとも会えていた
それが昨日は違った
なんとなく様子もおかしかった
俺は気にしないようにしてベッドに入り、目を閉じた
出会ったことから今までのことまで色々と思い出され、なんとなく時計を見たときには11時を回っていた
そこから風呂に入り、上がると電気もつけず部屋でぼーっとしていた

時計を見ると、12時を指していた
俺は服をきて、黒いコートを纏って外に出た

いつもの公園に到着したのは1時ちょっと前
まだ彼女は現れていないだろうと思っていたのだが、すでに彼女はベンチに座っていた




88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) 2012/02/12(日) 21:29:32.56 ID:IujIfbD90
>>87
wktkすぎる



89 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/12(日) 21:33:54.70 ID:qtFgtIkU0
いつもの公園に到着したのは1時ちょっと前
まだ彼女は現れていないだろうと思っていたのだが、すでに彼女はベンチに座っていた

俺は近づき、彼女に声をかけた
勿論その言葉は
「真夜中の散歩は楽しい?」
彼女は笑顔で振り返り、こう答えた
「うん。きっと今までで一番楽しい真夜中の散歩になるよ」
その言葉に何故か胸が締め付けられる思いだった

彼女はベンチから立ち上がり、俺の手を握り、引っ張った
「ちょっと」
「いいから早くおいで!」
笑顔いっぱいの彼女がはしゃいでいた
今まで見たこともない彼女の姿だった

俺は彼女にそのまま手を引かれ、今までとは違う道を歩いて行った
途中まで俺が来た道を行き、そこから途中で右に曲がると、険しい坂と曲がりくねった道があり、俺達の体力を消耗させた
しばらく歩いていくと、そこには俺らが出会ってから今まで歩いてきた道が一望でき、港も駅もすべて見えるとても綺麗な展望台があった




90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) 2012/02/12(日) 21:54:19.56 ID:9iMjZFWmo
支援要らないのわかってるけど、気持ち的に支援


91 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/12(日) 21:55:08.52 ID:qtFgtIkU0
「すごく綺麗だな…。俺達が歩いてきた道が全部見える。港も駅も国道もなにもかも…」

すべてが俺の宝物のように映った
目の前をちらついていた雪もすべて輝いていた
俺のそばにある月はもっと美しかった

「綺麗でしょ。君に恩返しがしたかったの」
「え?俺恩返しされるようなことしたかい?」
「したじゃない。君が港や駅、国道を一緒に歩いてみせてくれた。すべてがあたしの宝物となった。君と出会って、あたしのつまらない日々に光を照らしてくれたのは、まさしく君だったんだよ」

俺は空を仰いだ
ぼやけて何も見えない
月は隠れずに輝きを増していたが、俺の目には朧に映っていた
自分が誰かのためになっている。しかも光となっている
それも彼女のための光に

彼女は先に景色に沿って並んでいるベンチに座っていた
毎回のように隣に座ることを催促され、俺は隣に座った
彼女の顔はうっすらと街頭に照らされていた

彼女の手にはビニール袋も何もなかった
彼女は今日アイスを食べないようだった

「今日アイスは?」
「春になったし、いいかなアイスは」

雪の華も徐々に溶け出し始めていた



92 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/12(日) 22:28:40.21 ID:qtFgtIkU0
隣に咲いていた溶け出した雪の華は最後の大輪を咲かせまいとしていた
彼女は俺の手に手を置き、話し出した

「今日の真夜中の散歩はどうだった?」
「最高だった。今までで一番だった」
「ならよかったよ。あたしも今までで一番楽しかった」
「ならよかった。あなたが喜んでくれることがなによりも」
「春になって、夜が短くなってきたね」
「うん。四時になればもう薄暗くなるしね」
「とうとう冬は過ぎてしまうんだね…」
「だね。冬大好きだったんだけど…」
「でもね、真夜中でも君といると温かかった。だからアイスがすこしいつもよりまずく感じたんだね」
「え、まずかったのかよ」
「嘘にきまってるじゃない」

彼女はクスクス笑う
俺もそれを見て、クスクス笑ってしまった

そこからは他愛もない話が続き、時間はあっという間に過ぎていく
魔法をかけられていた俺らの世界は終焉に近づいていた
彼女はさらに儚げになっていく
手を伸ばしていけば透けしてしまい、触れることができなくなってしまいそうだった
どんどんと消えて居てしまうような彼女を見ていて、俺は不思議な衝動に駆られた
気がつくと俺は彼女を抱きしめていた
俺の腕の中で顔をうずめている彼女は嫌がらず、離れようとしなかった
俺の背中には彼女の手が回っていた

俺達の月がひとつになり、輝きは増していた
太陽には勝てないけど、俺達の世界、目の前の世界を照らすには十分な光だった
俺の心の中には何かが芽生えた
心に訪れた春は温もりに溢れ、心地よい風が吹く

彼女も顔を赤らめていた
その顔は今まで見た中で一番可愛らしい表情をしていた




93 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/12(日) 22:50:45.29 ID:qtFgtIkU0
気づくと空は薄明るくなっていた
俺は抱きしめていた腕をはなし、彼女と離れた
抱きしめていた時間はだいたい三分くらいだったろうか

そして、俺達は立ち上がり、彼女が言った

「じゃあ、もう帰ろうか」

俺は頷き、そのまま二人で来た道を歩き始めた
俺と彼女は何も話さなかった
話をできる雰囲気ではなかったのだ
照れもあったが、それ以上の何かがあった

俺と彼女が別々になる分岐点にさしかかると、足を止め、彼女は俺の顔を見た
その目は水分を十分に含んだものだった
そして、今度は彼女から俺の首に腕を回し、背伸びして頬に口づけをした
それが終わると「さよなら」と言い、彼女は帰っていった

俺は唇が触れた頬に手を当てながら、彼女の後ろ姿を見送った
声をかけることはできなかった
時々彼女は袖を目元にやっている姿が伺えた

ずっとふっていた雪は止み、東からは太陽が顔を出し始めていた


翌日から春休みの期間は、毎日公園に出向いた
しかし、彼女は現れない

春休み最終日
俺はコンビニでアイスを買ってから、公園に出向いた
彼女は来なかった
そして、俺ももう来ない気がしていた
俺は買ったアイスを袋から取り出し、口にした
それは溶けていて柔らかかった

その日の空は厚い雲に被われ、月が見えることはなかった
そして、俺達の世界は終わりを告げたのだった



94 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/12(日) 22:53:02.72 ID:qtFgtIkU0
昔話の前半終わりました

長く、内容が無い文を読んでくれてありがとうございます

あと後半書いたら、現在進行している話をしていきます

ちょっときりがいいので、質問でも受け付けます



96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/12(日) 22:56:04.39 ID:kmwJsMjlo
おつかれさま
昨日から楽しみでした。
後半もわくわくします。

毎日夜散歩して昼間眠く無かったですか?
学校で寝てたのかな?
しかも毎日で親にばれなかったの?



98 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/12(日) 22:58:51.16 ID:qtFgtIkU0
>>96
眠かったですよww
学校では寝てました
親にはばれないようにしてましたね
ばれそうになって大変なときもよくありましたけど



102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長野県) 2012/02/12(日) 23:03:07.29 ID:csgsZ6mPo
親に内緒の夜の楽しみってのがなんかいい


103 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/12(日) 23:04:51.28 ID:qtFgtIkU0
>>102
あの時の俺には真夜中しか楽しくなかったんですよね
親にばれないために梯子を隠す場所とか、かける時間とかは徹底してた



104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福島県) 2012/02/12(日) 23:05:42.47 ID:DdTkYCfDo
アイスって何食べてたの?


105 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/12(日) 23:07:01.16 ID:qtFgtIkU0
>>104
ホームランバーww



107 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/12(日) 23:09:35.84 ID:qtFgtIkU0
あと、ネタバレになりそうなことは答えられないですけど、すいません
後半を見ていただければわかります
前半よりは長くならないと思いますので



110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) 2012/02/12(日) 23:37:27.01 ID:QvfJ5Wmko
後半も楽しみにしてます
ゆっくりでいいので待ってます



112 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 01:16:46.27 ID:CtT+208AO
今日は寝なくてもいいので、携帯から書きます
今風呂なので

一応後半はさらっといきます

もう前半で質問はなかったですか?



113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) 2012/02/13(月) 01:19:41.99 ID:CZc+W+YLo
寝落ちするかもしれませんが、後半お願いすます


114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/13(月) 09:05:49.28 ID:6iPRbWruo
後半に期待。
正直、前半は謎すぎて質問のしようがない。
後半で色々明かされるんだよね。



117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/13(月) 13:08:38.30 ID:OOz7PLmbo
なぞの彼女X並みに謎だな


119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/13(月) 14:30:58.05 ID:hAnGeFuqo
丁度区切りいいところで追い付いた


120 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 14:32:22.00 ID:3kMj1tcM0
飯も食ったし、ゆっくり書いていきます




121 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 15:04:38.49 ID:3kMj1tcM0
2009年4月下旬
俺は三年になっていた
彼女がいなくなってから一ヶ月が経ったが、忘れ去ることなど出来ないでいた
むしろそれはより強くなり、脳裏にこびり付いていた
三年になって、彼女と出会う前の同じ日常に戻ってしまい、つまらない毎日だった
勉強は父親に強いられていたから、ある程度はやっていたがさほど伸びない
それを見て呆れたのか、父親は俺に対して口うるさく言うことはなくなり、また、一切会話もなくなっていた

ただ俺は荒んでいった
二学期に入ると、一ヶ月に一回休んでいた学校を一週間に一度休むようになった
それに加え、無断早退、遅刻などとにかく今思えば酷かった
いっても待っているのは授業だけで、他人との関わりはないのだからつまらない
だからといって、自分から関係を持とうともしなかった

そして、三学期
俺は道外の短期大学の看護学科を希望した
正直親元を離れたいから道外にし、看護にしたのはなんとなく興味が湧いたからだった
受験は合格し、無事卒業かと思われた
しかし、英語の出席日数が足りず、補修を受けなければならなかった
それを聞いた父親に俺は殴り飛ばされ、俺はただただ無言で部屋に戻った
部屋にもどった俺はベットに潜り込み、頭を抱えた

―いつから俺はこんなになってしまったのか、昔の俺では考えられない―

そう考えるうちに外は明るくなっていた



結局補修を受けて、なんとか卒業出来ることとなった

卒業式当日
父親は来なかった



122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/13(月) 15:13:20.10 ID:g70NYghIO
おかえりー
いよいよ後編だね!待ってた!



123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/13(月) 15:17:28.85 ID:OOz7PLmbo
昨日の深夜から後半の続き待ってました


124 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 15:57:12.38 ID:3kMj1tcM0
2010年4月
俺は道外にいた
一人暮らしの準備は着々と進めていて、入学式の前日には母親だけがアパートにいた
父親は仕事だということで来なかった

入学式の当日
俺はスーツを身に纏い、大学の敷地の一角にある体育館へ向かった
その体育館の前ではサークルや部活の勧誘で賑わっていた
俺は体がでかいせいか、柔道やラグビーなどの人々が集まってきた
体育館に入り、自分の指定された席につく
看護学科ということもあり、女子が9割以上を占めていた
ばからしいが俺はなんとなく周りを女子の顔を見渡し、彼女がいるんではないかと思った
しかし、勿論いない
俺はその場で俯き、自嘲的な笑みを浮かべた

―いるはずがないのにな。早く忘れればいいのに―

俺はすっかり恋をしていた
このずっと忘れられない感覚と、ついつい探してしまう癖がそれを象徴していた

その後学科別のガイダンスがあり、看護棟の講義室にいた
貰った資料に目を通すと、全体人数は100人でその中で男子は俺も含め、たった10名だった
俺は後ろの席に座り、その周りを取り囲むように男が座る
俺の両サイドの男達に声をかけられた

「ねえ、背高いよな」

こう言ったのは背が180程度あり、細身で、短い髪をしていて、肌はほどよく褐色をしていた

「本当に高いよな。俺に分けろ」

こいつは身長は170もなく、筋肉の鎧を纏ったような奴で、頭は坊主だった
いかにもB系という感じは似合う奴だった



125 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 16:30:11.29 ID:3kMj1tcM0
この背が高い方の男は高宮と、坊主の筋肉は桐山という名前だった
高宮は俺と同じくアパート暮らしで、桐山は寮生活をするらしい
俺達は親睦を深めたいと言うことで、その後近くのファミレスで飯を食うこととなった
こうやって同年代の人間と一緒に飯を食ったりするのはいつぶりだったろうか
俺は久しぶりに気分が高翌揚していくのを覚えた

ファミレスに着くと、三人でお互いのことを話合った
三人とも出身は違い、ところどころ方言が飛び交うとが面白かった

その後三人で帰ることにした
俺は一番最初に道が分かれているため、二人とはここで別れなければならなかった
アパートに戻ると母親は帰る支度をしていた
その日の寝台で帰るらしい

「もう帰るのか」
「うん。あたしにも仕事があるのよ。父さんもずっと一人にはしておけないからね」
「ああ」
「しっかりやんなさい。お父さんもあなたが憎い訳じゃないのよ」
「わかってる。頑張るよ」
「体に気をつけてね」

母親は俺の頭を一つ撫でて、出て行った

そして、この日から俺の一人暮らしが始まった
学校でも高宮と桐山とともに、1年目は勉強に専念していこうと決め、とにかく三人で切磋琢磨して頑張ったのだ
その結果、三人とも学年で10位以内に入り、俺に関してはずっとトップだった
しかし、それをあまり面白く思わない連中も少なからずおり、陰口やあからさまな嫌がらせもあった
大学生になってもこんなことをする奴がいるのかと思うほどだった
逆もあり、慕ってくれる人間も多かった
テスト前になれば、俺ら三人と女子4人くらいで高宮や俺の部屋で泊まりがけの勉強会が開かれていた
それを気に高宮も桐山も彼女が出来た
俺も何度か告白をされたり、いい雰囲気になったりはしたものの、やっぱりだめだった
彼女を想い続ける気持ちは日に日に薄れていくばかりか、強くなっていくばかりだったからだ…



126 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 16:35:47.15 ID:3kMj1tcM0

光陰矢のごとしで、月日の流れるのは早いものだった
2011年
俺達が二年になった
そして、この2011年は日本中で激動の一年となった
大震災に原発事故…
俺に関してもこの一年が激動となり、今現在進行している話へと繋がっていく



127 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 17:08:57.84 ID:3kMj1tcM0
2011年4月
震災の爪痕が生々しく、各地域では残っていた
俺達は二年になり、さらに勉強は専門に特化していった
難しくなる勉強と大量にでるレポートで、遊ぶことはほとんどできないでいた

夏休みに入り、勉強やレポートにある程度余裕が出てきたため、バイトをしないかと持ち掛けた

「なあ高宮。一緒にバイトしないか?」
「バイト?なんのバイトだ?」
「居酒屋のキッチンなんだけど」
「大変そうだな…。時給は?」
「850円」
「う~ん。できなくもないが、実習とかもあるし、大丈夫だろうか」
「大丈夫だろう。シフトは自分で希望出せるようだし」
「そうか。ならその話乗った」
「さすが高宮」

その翌日俺は高宮と共に面接を受けにいった
居酒屋の場所は駅前で、夜になれば賑わいを見せるのだ
到着すると俺と高宮はそれぞれ個別に面接をされた
俺は緊張してしまい、面接官の顔を見れずに終わってしまった

「高宮…。俺きっと落ちたわ…」
「なんでだよ。大丈夫だって」
「だって、俺俯いてたしさ」
「気にすんなって!お前が落ちたら俺も辞退してやるからよ」
「高宮…」

高宮に肩をぽんぽん叩かれ、励まされながら帰宅した

本当に高宮はいい奴で、高宮の彼女もさぞかし幸せだろうとつくづく感じていた
そして、桐山を何故誘わなかったというと、桐山は学校を辞めた
桐山は頑張っていたのだが、自分が進むべき道ではないと感じたらしく、自主退学したのだった



128 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 17:17:29.64 ID:3kMj1tcM0
面接を受けた三日後携帯が鳴った

「はい。月ですが」
「あ、月さんですか。○○居酒屋の者ですけども」
「あ、はい」
「面接の結果なのですが、明日から来れるでしょうか」

俺は声を出さず、部屋でガッツポーズをした
面接に合格したのだ
電話を切った後、高宮にすぐ電話をかけた

「高宮」
「お~月か。どうした?」
「面接合格したぜ!」
「おお!やったな!俺もさっき来たんだぜ。これで一緒に働けるな。頑張ろうぜ」
「ああ、頑張ろう。明日来いって言われたか?」
「うん。お前もか?」
「そうだよ。なら午後4時に大学前集合でどうだ?」
「いいよ。ならまた明日」
「うん」

次の日俺は高宮を待った
とにかく夕方になろうというのに日差しが強く、身を焦がした
これだから太陽は嫌いなのだ…
月が好き…
こんなことを考えると俺はやっぱり彼女を思い出してしまう
俺の月は彼女だったから

高宮はすこし遅れてきた

「すまんすまん。準備に戸惑ってしまった」
「どうせ、髪のセットに時間かけたんだろう」
「正解」
「ナルシストか」
「うるせーよ。いくぞ」

俺達はバスに乗って、駅前に向かった



129 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 17:41:36.22 ID:3kMj1tcM0
午後5時に居酒屋に着き、俺達はある程度店長に説明を受け、制服に着替えた
平日にもかかわらず、夜になれば店は混み合った
キッチンは大忙しで、最初は皿洗いや盛りつけに追われた
器用な高宮とは反対に不器用な俺は手際が悪く、先輩スタッフから怒鳴られながらの仕事となった

初日が終わり、俺は心身ともに疲弊していた
高宮もさすがに疲れたのか、ため息をついていた
休んでいると俺だけが店長に呼ばれた

「なあ、月君。君は多分キッチンよりもルームスタッフの方が向いているような気がするんだ」
「え?どうしてですか」
「君が時より見せる笑顔は実にいい。これは私だけではなく、ほかのスタッフの意見にも出ていた」
「でも、俺接客は苦手だし、ちゃんとお客さんに愛想振りまけるかわからないです」
「大丈夫。それはしっかりこっちで教育するから」
「あ、そうなんですか。でも…」
「是非ルームスタッフとしてやってはくれないか?時給は850円でいいから」
「あ…はい。わかりました」

俺はあまり乗り気ではなかったが、店長の強い勧めを断ることはできなかった
キッチンは俺がいると上手く回らず、多分邪魔だと思ったのだろうと俺は考えていた

「じゃあ、明日また来てくれ。君に教育する先輩スタッフをつけるから」
「あ、わかりました」

俺は話が終わると、俺は高宮と共に帰った
その帰り道で店長に言われたことを話した
高宮はしょうがないといい、やめるつもりもないと言ってくれたのだ
素直に嬉しかったのを覚えている

次の日、高宮と俺はまたバイトにいった
俺はルームスタッフ用の制服に着替え、着替え終わると店長に呼ばれた
そこには店長ともう1人身長が160ちょっとある女性が立っていた
俺はその彼女を見て、一気に鼓動が速くなり、全身が熱くなるのが分かった

なぜなら俺の目の前にいたその女性は、3年前の吹雪の真夜中の日にアイスを食べていた彼女だったからだ…



130 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 17:45:28.51 ID:3kMj1tcM0
奇跡のような話だが、現実で起きたのだ
その彼女との話はここから今進行している話とリンクしていきます

彼女の謎もすこしだけわかるようになります

じゃ続きはまた夜に

ノシ



131 :VIPにかわりましてパー速民がお送りします(ソマリア) 2012/02/13(月) 17:48:02.92 ID:GiAAXIOL0
待ってる




132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/13(月) 17:50:29.04 ID:sEY1+Aido
素敵だな…


134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) 2012/02/13(月) 18:04:58.66 ID:b8NletcQo
すごく楽しみです

待ってます



136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/13(月) 19:26:34.82 ID:6FMlvO7Io
ドラマだな
待ってる



137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(千葉県) 2012/02/13(月) 20:18:28.81 ID:9ujIidT50
こういうの運命って言うのか?
wktkして待ってる



138 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 21:21:00.22 ID:3kMj1tcM0
ただいまです
では、失礼ながらもマイペースにゆっくり書いていきますね



139 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 21:38:47.73 ID:3kMj1tcM0
俺の中で時計が逆に動き出す

俺は店長が彼女のことを紹介してくれていたが、ほとんど耳に入らなかった
ただ入ったのは彼女の名前が玉城雅(仮名)だということだけ
※今後は彼女のことを雅と呼ぶことにする
俺が上の空で話を聞いているのに気づいたのか、すこし怪訝そうな顔をしていた

「おい、月君。聞いているのか?」
「あ、すいません。すこしぼっーとしていました…」
「しっかりしてくれよ」
「はい、すいません」
「それで、これから二週間から三週間程度君を教育してくれる雅ちゃんだ」

雅は俺の顔を見た
彼女と目が合い、それは一瞬であったが、何故か長く感じた
その瞳はあの時とは変わらない奥行きのある澄んだものだった
三年前とはほとんど変わらない
その彼女の姿は長年俺が脳裏で追いかけ続けたものだった
ようやくそれが手の届く位置に今あったのだ
彼女はそのひとつ頭を下げた後、にっこり笑いながら自己紹介をした

「はじめまして。玉城雅です。これから少しの期間ですがよろしくお願いします」
「あ、は、はい!よろしくお願いします!」

俺はついつい焦ってしまい、声が裏返ってしまった
店長も雅も笑っていた
今にも顔から火が噴きそうだとはこのことだろうと思った

その後俺は雅に連れられ、その場を去った
俺は照れと動揺で声がかけられなかった
すると、彼女が俺の脇腹を人差し指で突っつき、見つめてきた
「まさか、あの時の君じゃないよね」

見つめられ、さらに俺の鼓動は速くなり、脇からは汗が垂れた
何故か三年前にタイムスリップしたような感覚に陥った
俺達の空間だけが冬の真夜中になっているようなそんな感覚だった



141 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 22:08:44.25 ID:3kMj1tcM0
俺はすこし間を持たせてから答えた
「俺だよ。三年前の吹雪の真夜中のあの俺です」
「やっぱり…。髪型とかちょっと違ったけど、君だと思ったよ。まさかこんなところで会うなんてね…」

彼女の髪はすこし伸びていた。短い時しか知らなかったが、長い髪の彼女も可愛らしかった

「あの…」
「今はまず仕事するから、プライベートはまた今度」

そう言われて、俺は雅に連れられ、仕事ないようの説明を受けた
客に対する接し方だとか、注文の取り方、運び、トイレの掃除まですべて
不器用ではあったが、キッチンよりは仕事が出来た
俺はルームスタッフになって良かったと感じた
それは仕事が出来るからではなく、雅と再会できたことに関してだ

バイトが終わると店の外で高宮を待っていた
店の方から足音が聞こえ、俺は職員用の出口に向かった
そこから出てきたのは高宮ではなく、雅であった

「月君。お疲れ様。仕事大変だろうけど、わからないことあったら何でも聞いてね。ところで月君いくつ?」
「あ、はい。20歳だよ。ねえ雅」
「雅じゃなくて雅さんね」
「え?」
「あたし月君より一つ学年上なの。そうは見えない?」

雅は十分に大人っぽいんだが、昔の感覚が抜けなかった

「いや、見えます」
「まあ、そう固くならずにね。じゃあお疲れ様でした」

そう言って雅は帰っていった
何かを言わなきゃいけないと思いつつも、金縛りにあったように何も声を出せなかった
そのすぐ後に高宮が出てきた
高宮は俺の姿を見て、不思議に思ったのだろう

「おい、月。大丈夫か?」
「あ、ああ…」

この三年という月日は何かを変えてしまったのかもしれない
俺はなにも変わらないと思っていた
しかし、季節が移りゆくように、太陽が沈み月が出るように、そして、雪が溶け、大地から芽が出るように俺達の関係も、そして彼女自身も変わってしまっていたように感じた
そして、今目に映る世界が虚しいものに見えた

俺の好きな月は出ていた
しかし、どこか悲しそうで三日月だった



142 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/13(月) 22:19:54.05 ID:3kMj1tcM0
その帰り道、高宮と某ファーストフードに寄り、晩飯をとることにした
時間はもう12時を回っていた
ファーストフードに寄りたいといった高宮は俺に何かを聞きたいのだろうと察しがついた

2人で向かい合って席につくと高宮がこっちを見てきた

「どうしたんだよ」
「月。雅さんとなんかあったか?」
「え?いや、特に」
「ふーん。でも、彼女と別れてからお前なんか虚ろな目をしてたけど?」

さすが高宮だった
彼は洞察力が鋭いし、俺に関してはなんでも見抜いてしまう
だから、彼に隠し事はするのはやめようと思った
俺は彼に三年前のこと、どういった別れ方をしたのか、雅に対してどういった感情があるのか、事細かく話した
彼はただただ頷きながら俺の話を聞いていた
そして、話終わると彼が話し始めた



144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長野県) 2012/02/13(月) 22:32:40.46 ID:9UF4pR61o
こんなことってあるんだなぁ


145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/13(月) 23:05:53.04 ID:2e12MOnD0
世界は広いようで小さいもんだね


147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) 2012/02/14(火) 00:07:14.93 ID:ut2F44G4o
文才すごいなー


150 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/14(火) 02:40:13.03 ID:q0195mmg0
遅くなってすいません
では、またゆっくりマイペースに書いていきます



151 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/14(火) 02:58:30.69 ID:q0195mmg0
「なあ月。話はよくわかった。まず俺が最初に言ってやることは一つ。お前は雅さんにずっと片思いしている」
「ああ…」

分かってはいたのだが、気づかないふりをしていた
自分の気持ちに嘘をついていた

「目を背けず、自分の気持ちに素直にならないといけないぜ。それに三年という月日は人間を変える。月みたいに変わらないような奴もいるが、お前みたいな奴のほうがマイノリティーだ。だいたいの人間は変わってしまう」
「そうかな…。雅さんは変わってないような気がしたんだけど…」
「いいか?月。それはお前のフィルターを通して見た雅さんだ。俺はお前の中で彼女が美化されているとしか思えない。何もあのままの雅さんに見えているのは、過去の像を今の彼女に照らし合わせているだけなんだよ」

高宮の説明はすごかった。
全身に電流が流れるような感覚だ
正直合点がいってしまった自分がすこし悔しかった

「なら高宮…。俺が知っている雅さんはもういないと言いたいのか?」
「お前には可哀想だとは思うが、もう三年前の雅さんはいないと思うぜ。それに今からいうことはあまりショックというか深く考えないでくれ」
「ああ」

俺はつい身構えてしまった
今から高宮の口から一体どんな言葉がでるのか、固唾をのんで待っていた

高宮は溶けた氷水を飲み干し、息をひとつ吐いた

「雅さんに彼氏がいないという確信はないだろう」

確かにそうである
あれだけ可愛ければ周りの男も放ってはおかないだろう
ドラマでもあるまいし、そんな甘い展開にはならない
それは頭で理解しても、それを拒否していた

―もし、雅さんに彼氏がいたらどうしよう…―

この言葉がずっと頭の中で流れていた



152 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/14(火) 03:22:22.50 ID:q0195mmg0
夏休みも後半になり、俺達はバイト中心の生活になっていた
俺も高宮も大体の仕事は出来、仕事を回せるくらいに成長していた
ただ、俺に限っては笑顔がぎこちないとか、注文を取る声や挨拶する声が暗いと言われ、毎回のごとく雅さんに説教をくらっていた


バイトが終わったある日の夜
俺はひとつ決意していたことがあった

この日の前日
俺は高宮のアパートに泊まりに行っていた
晩飯は高宮が作り、そのかわり俺が掃除をする
まるでバイトの担当している仕事と一緒であった
晩飯を食い終わると、俺達は話し合いをした
というより、俺が高宮に相談に乗って貰っていた

「なあ、この前の話なんだけど」
「この前の話?」
「雅さんが彼氏いるかどうか」
「ああ。そんな話したな」
「あれさ、俺直接確認したいんだけど」
「すればいいじゃん」
「どうすればいいんだよ!」
「は?直接`彼氏いるんですか?`って聞けばいいだろ」
「でも、そんな単刀直入に聞くのは可笑しいだろう…。いかにもあなたが好きなんですオーラ出まくりだと思うんだけど」
「なら、バイトのこと聞きたいから、近くのファミレスで飯食っていきませんかって感じで誘ったらどうだ」
「さすが高宮。それならいける」

高宮のアドバイスを貰い、俺は雅さんを飯に誘うことに決めたのだ

そしてバイトが終わり、外に出るとすでに雅さんが外に出ていた
俺は近づこうと右足を一歩踏み出したが、次の左足がなかなか出ない
すると、後ろから力が加わり、倒れそうになりながら雅さんに近づいた



153 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/14(火) 03:34:37.77 ID:q0195mmg0
後ろを向くと高宮が親指を立てている
俺は中指をたててやった
俺が顔をあげると、雅さんが不思議な顔をしていた

「月君。なにしてるの?こける練習?」
「そんなわけないじゃないですか」
「じゃあ何?」
「い、いや、あの…」
「う~ん?」

何故か言葉が出ない
三年前はもっと堂々としていたのに何故なのだ…
そう思うと余計自分が情けなくなった
時の流れに俺自身も飲まれてしまっているようだったからだ
そして、俺は今まで溜めてきた勇気を振り絞った

「雅さん。ちょっとバイトのことで話がしたいので、飯食いに行きませんか?」
「ご飯?いいけど。あ、その前にアイス食べたいからコンビニついてきて」

アイスというその響きと、その時の彼女の笑みは懐かしさを感じさせた

雅さんが買ったアイスはあの時と同じものだった
それを笑顔で食べながら歩く雅さんは素敵だった
俺はなんとなくそれを見ただけで幸せだったのだ

ファミレスにつき、俺はカレーを注文し、雅さんはカルボナーラを注文していた
自分の前に料理が運ばれ、それを口に運ぶ
向かい合った雅さんは時々俺を見ていたような気がした
しかし、そんなものは俺の妄想に過ぎないと思った

料理をお互い食べ終わり、俺は雅さんに仕事のことを聞いた
笑顔の作り方、声の出し方をもっともっと詳しく
そして、最後に俺はあのことを聞いた

「あの…雅さん。聞きたいことがまだあるんですけど、いいですか?」
「うん。何?」
俺は喉が渇いていくのが分かった
手は汗で濡れ、鼓動がどんどん速くなる

「あの…雅さんは今付き合っている人とかいるんですか?」

すると雅さんは俯いた
そして、しばらくして目を閉じたまま、口を開いた





154 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/14(火) 03:37:36.89 ID:q0195mmg0
キリ?がいいので、また明日
おやすみなさい^^
すいません
面白くなかったらいってくださいww
多分後半は詳しく書きたいので、ちょっと間延びしたりするかもしれないので…
耐えれるなら耐えて下さい



155 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/14(火) 03:38:59.98 ID:q0195mmg0
なるべく楽しめるようには努めます
でも、事実を書きたいので、多少面白くないところもあるかもしれないですけど
よろしくお願いしますね^^



156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/14(火) 03:41:10.25 ID:sX0UkLwwo
切り方が上手いな
引っ張れ引っ張れ!!



157 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/14(火) 03:43:48.47 ID:q0195mmg0
>>156

ありがとうございますww
後半の話も楽しんではいただけてますか?



158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/14(火) 03:47:20.98 ID:sX0UkLwwo
>>157
最初からずっと読むの楽しみにしてるよ
結末までがんばってくれ



160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/14(火) 08:50:55.36 ID:BPJJrUfro
こんなところで切るなんて…。
ジラース。



172 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 21:01:04.08 ID:mrh30yrR0
ただいまです
またマイペースにじっくり書いていきます

これから春休みに入ってるので、バイトとか忙しいんですけど、休みの日とか夜中に書いていきますね
もう実家からアパートに帰ってきたので



173 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 21:21:30.90 ID:mrh30yrR0
「付き合っている人は今はいない。ただ、気になる人ならいる」

俺はその返答に不安と期待が入り混じった感情が湧いてきていた
―多分その気になる人は俺ではないだろう。でも、逆にもしかしたら俺の可能性も否定できない―
そう考えていた
しかし、俺はもうここまで来たら玉砕覚悟で行くしかないと思ったんだ

「その人は雅さんより年上ですか?」
「うん。どうして?」

呆気なく砕かれた俺の期待はやがて砂となり、忘却の彼方へ…
俺はいつも店で出来ない愛想笑いをして答えた

「いやいや。雅さん年上好きそうだから」
「別にそういうわけではないんだよ。ただ、気になる人が年上だっただけなんだ」
「そうなんですか…」

明らかに元気を失った俺を見て雅さんは心配そうな顔をしていた
俺は恥ずかしかった

―何自分一人で舞い上がっているのだろう…くだらない…―

その後、雅さんが気を遣ったのか、俺のことを聞いてきたり、自分のことを詳しく教えてくれた
雅さんは俺の隣町の私立大学に通う女子大生で、英文科らしい
彼女の素性が割れ、嬉しいはずだが何も嬉しくなんかなかった

時計を見ると雅さんが終電の時間が近付いているということで、その場を後にした
俺は駅まで送り、手を振った
頑張って元気を装って必死に手大きく振ったが、虚しく空を切るだけな気がした

帰り道、空をずっと仰いでいた
時々障害物に当たり、傷が出来た
でも、心に出来たちょっとしたかすり傷がやけに染みて痛かった



176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/15(水) 21:40:55.29 ID:jwRUZ53IO
現実はこんなもんだよな…


177 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 21:51:17.60 ID:mrh30yrR0
≫176

甘くないですよね
現実…

では
続きを



178 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 22:12:22.25 ID:mrh30yrR0
アパートに着き、俺は電気を点けずにベッドに倒れこんだ
歩いて帰っている最中堪えていた感情が一気に流れ出す
とめどなく頬を伝う涙は月明かりに照らさせ、光っていた
月は慰めてくれているのだろうか…

そのままじっとしていると携帯が鳴った
着信を見ると高宮であった

「おーい。月くーん」
「なんだよ…高宮」

高宮はすこし間をおいて、また声をかけた

「月。人生なんてそんなもんだよ」
「ああ。糞だな…。」
「雅さんももう成人なんだし、年頃の女じゃないか。いない方が可笑しいんだよ」
「そうだよな…。ただ、付き合っている人はいないみたいだ。気になる人がいるんだって」
「え?もしかして…。それはないよな。ならお前こんなに落ち込んでないしな」
「ああ。年上の人らしい」
「なるほどな。魅力的だもんなぁ。年上の男ってのは」
「ああ…」
「でもよ。お前こんなことで諦めるのかよ?学年のトップにいる男ってこんなもんなのか?」
「だって…多分勝ち目ないし」
「あ、そう。もう負けてんじゃん。どんまい」
「え?」
「気持ちで負けてる。お前が雅さんを想う気持ちってそんな程度のものなんだな。ふ~ん」
「ちげぇよ!三年間追い続けたんだぞ!そんな程度とかてめぇには言われたくねぇよ!」

高宮の言葉が俺の逆鱗に触れてしまった
しかし、高宮は笑いだした

「あはは。それでいいじゃないか。その気持ちを持ち続けろ。まだ始まったばかりじゃねぇか。諦めるには早すぎるんだよ。その馬鹿なくらいな真っ直ぐなお前を貫けよ。俺はそんなお前が大好きなんだ」

この時、高宮が全てを諭してくれていたことに気付いた
最高に友達を持ったと感じた瞬間でもあった



179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/15(水) 22:16:35.43 ID:Gk6weWzro
高宮イケメン臭プンプン


180 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 22:36:22.78 ID:mrh30yrR0
夏休みも終わりに近づき、俺は一人で仕事が出来るようになっていた
ある程度の笑顔も出来ていて、客に褒められたことも何度かある
そんな時はルームスタッフでよかったと思うことが出来た

肝心の雅さんとの距離は遠くもなければ近くもなかった
ただ、教育期間が終わってしまって話すことは少なくなってしまった
その代わりに携帯の連絡先は教えてもらうことができたのだ
しかし、いざ携帯を握り、メールを打つのも、電話をかけるのにも手が震えてしまう
かといって待っていれば来ることはない
来るとすればバイトの連絡だけだ
その連絡からちょっと逸らして会話する、その程度のコミュニケーションしか取れなかった
俺はすっかり彼女と出会う前の高校時代の俺に戻りつつあったが、それを食い止めてくれていたのは高宮の存在であった



バイト漬けだった夏休みも終わり、後期が始まった
久しぶりの学校は懐かしくもあり、日焼けをしてくる人も多くいたし、女の子に関しては明らかなイメチェンをしてきた子も目に付いた
高宮は彼女としばらく会えなかったのか、楽しそうに二人きりの空間を楽しんでいたように見えた
とても羨ましく見ていた俺がいた

俺は学校が始まってから雅さんのことを勉強で忘れようとしていた自分がどこかにいる
必死に頭に叩きこむことですべてを忘れようとしたのだ

―そうだよ。俺はまた逃げているんだ―

心のどこかでそう叫んでいた
高宮に諭されても尚、俺は自分の殻に閉じこもってしまっていたのだ

―どうして俺はこうなんだ。いつもいつも諦めてしまう。自分を自分で否定し続けて自己満足しているだけだ―

そんな思いが俺の頭の中にずっと纏わりついていた



181 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 22:50:29.53 ID:mrh30yrR0
学校が始まってもバイトは続いた
俺は雅さんとはなるべくかぶらない様にシフトを組んでいた
しかし、ある日シフトが被り、帰りに俺は雅さんに声をかけられた

「月君。最近バイト一緒にならないね」
「あ、そうですね…」

なんとも気まずい

「なんか月君ずっと元気ない。客の目の前では笑顔出来るようになったのに、あたしの前ではできなくなった?」
「いや、そんなことないですって」
「なら、笑ってみなさいよ。ほらほら」

そう言って、俺の顔をいじくってきた

「やめろよ」

雅さんはすこし困惑した顔をして、また聞いてきた
「え、どうしたの?」
「いいから、手離せよ」

俺は雅さんの手を払いのけて、帰っていった

別に雅さんが悪いわけじゃない
俺が餓鬼だったのだ
振り向いてもらえない、好きでもないのにちょっかいをだされる、それが俺は嫌だった
そして、何よりもそれに対して怒ってしまった自分が一番嫌いだった

次の日もバイトのシフトが被っていたが、雅さんは挨拶をしてそれ以上はなにも話しかけてこなかった
ただ、俺が注文を受けたりしているときに、遠くから視線は感じていた
しかし、気付かないふりをした
もう何もかもが面倒だった



182 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 22:56:09.65 ID:mrh30yrR0
そして11月になり、冬がやってきた


そろそろ昔話後半も佳境です

じゃあ一旦休憩しますww
またすこし経ったら書きます



183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) 2012/02/15(水) 22:58:03.58 ID:J9PiB3TWo
楽しみにしてるよ


185 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 23:07:53.64 ID:mrh30yrR0
ただいまです

間延びしてみんな飽きてきてないかな?ww
もうすこし簡潔の方がいい?



186 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 23:11:12.05 ID:mrh30yrR0
多数決で多い方書くね

簡潔か、普通に書くか



187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) 2012/02/15(水) 23:11:36.82 ID:J9PiB3TWo
普通でいいよ


188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/15(水) 23:11:44.62 ID:YAEjk4Upo
飽きてないよ
今のままでいいです



189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) 2012/02/15(水) 23:13:31.46 ID:NsoPMvvoo
このペースがちょうどいい
そのまま続けてください



191 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 23:17:35.62 ID:mrh30yrR0
じゃあ
普通のペースでまた始めます



193 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 23:32:35.80 ID:mrh30yrR0
11月に入り、寝雪にならずともちらつく程度に雪が降り始めていた

ある日俺は高宮と一緒に学食にいた
すべてが面倒になったこと、バイトも楽しくなくなってきたこと、全て勉強によって忘れようとしていることなど俺が話せることは話した
すると、高宮がある提案をしてきた

「なら、最後に大きく砕けようぜ」
「どういうことだよ」
「もう未練残さない様に告白しろよ」
「は?」

俺は呆気にとられた
一瞬高宮が何を言っているのか分からなかった

「どうせ実習も始まるんだし、バイトも年明けくらいにはやめなきゃならないだろう。バイトならまた春休みに短期でやろうぜ」
「ああ。それはわかった。雅さんに告白しろって正気で言ってるのか?」
「当たり前だろう。お前このまま後悔したままで終わるのか?」
「いや…でも、もう面倒だし…」
「面倒面倒言って頭から離れていかないんだろう?」
「まあ…」
「なら、しっかり気持ち伝えて、新たな第一歩踏み出そうぜ」

俺の中で葛藤があった
弱い自分と強い自分
弱い自分は諦めている自分で、強い自分は雅さんを想い続けている自分だ

俺は三年前を思い出していた

―彼女が俺を変えてくれたじゃないか。光を当ててくれたじゃないか。詰まらない日々を楽しくしてくれたじゃないか―

その想いが俺に決意させてくれた
俺はもう一度立ち上がることを決めた
そして、三年前と同じ真夜中の散歩を俺は始める



194 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 23:39:35.64 ID:mrh30yrR0
すまん
今日はもう落ちるね

またね



196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) 2012/02/15(水) 23:43:21.84 ID:zke1xkMOo
おつ。


197 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/15(水) 23:44:08.91 ID:mrh30yrR0
落ちる前にヒント

俺は昔話をしています
しかし、俺自身もこの話の結末は知りません

ノシ



199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) 2012/02/15(水) 23:46:44.84 ID:PVZlK+apo
wwktk


213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) 2012/02/18(土) 21:47:42.84 ID:gdKOWRM20
wktkすぎてやばい




215 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/19(日) 22:20:25.61 ID:Y0Z18Z3/0
みなさん
遅くなってすいません
ようやく来れました

これからゆっくり書いていきますね



217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) 2012/02/19(日) 22:26:04.45 ID:gtPYML5To
まってました~~~~~!!!


221 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/19(日) 22:45:33.57 ID:Y0Z18Z3/0
しかし、それは雅さんと一緒に行くものではない
俺が一人でするものだった
全てをリセットし、ゼロに戻したかった
あの三年前に戻るというより、あの時の出会った新鮮さがほしかった

俺は家からバイト先まで毎日探索することにした
色々と回り道をしたり、なんとなくその時目についた小さい公園などに寄ったりし、新たな散歩コースを開拓した


11月下旬からこの散歩は始まった
深夜12時になった頃にアパートを出る
北海道よりは雪は深くないが、冷気が肌を刺してきた
真夜中になると殆ど車も通らなくなる国道沿いを歩いていく
それは真夜中の静寂で嫌ではなかった
国道沿いを歩いていくと、その途中に架かっている大きな橋があり、街灯が点々と続いていた
雪が降っている日にはそれが北海道の時のように幻想的であった
その橋を抜けると、市街地に出る
そこから俺は耳にイヤホンをつけて音楽をつける
聞くのは2曲だけと決まっていて、それは亡き王女のパヴァーヌと月の光だった
これらは冬の散歩には適していて、心が落ち着くのである
何故市街地からかというと、光がより一層解き放たれる場所だからだ
その光に満ち、しかしそれであっても真夜中の静寂を保っている世界は俺だけの世界だった

―やはり冬の真夜中の散歩は心が落ち着く。本当に素晴らしい―

そう思いながら、コンビニにより俺はアイスを買った
買おうか戸惑ったのだが、俺は買うことにした
三年経って、俺は冬のアイスが好きになっていた
寒い日に食べるアイスは懐かしい思い出に溢れた味がしていて、それでもって何故かほろ苦かった



222 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/19(日) 23:00:35.12 ID:Y0Z18Z3/0
12月に入ると、雪が毎日降るようになり、寒気が日本列島を覆っていた
そして、俺は実習があることもあり、中旬にはバイトを辞めることにした
これは高宮とも相談して決めたことだ

12月中旬俺達はバイト先での最後の日を迎えた
悔いなく仕事をしようと今までの中で一番頑張った日だったであろう
その日は営業終了まで仕事で、しかも雅さんもいた
すると、高宮がある提案をする

「月。これから雅さん誘って一緒に飲もう」
「は?」
「だって、最後だぞ?今日言わなかったらお前にチャンスはねぇよ」
「いや…確かにそうだけど…。でも言わなくてもいい気がしてきた…」

俺は弱気になっていた
しかし、高宮に脚を蹴られた

「馬鹿野郎。そうやって躊躇する時間はお前にはないの。だから、今日伝えろ。ダメ元でいいんだ。お前は一歩踏み出すしかない」

その言葉に背中を押され、俺は雅さんに言った

「今日これから時間ありますか?」
「あるけど、どうしたの?」
「いや、これから一緒に飲みませんか?」
「これから?」
「はい」
「なんだ。先に誘われちゃった」

―え?―

「あたしも今から誘おうとしていたの。今日で月君も高宮君もバイト終わりだからね。後日に送別会みたいのを店長がしてくれるみたいだけど、その前にあたし個人で送別会開いてあげたかったのよ」

俺は手に汗がびっしょり滲んでいた



223 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/19(日) 23:17:34.73 ID:Y0Z18Z3/0
バイトが終わるとコンビニでアルコール類とそれぞれ食べたいものを買い、俺のアパートに向かった
メンバーは俺と高宮と雅さんと、あともう一人雅さんと仲が良いルームスタッフの美鈴さんの4人だった
何故俺のアパートかと言うと、高宮の部屋は汚れているらしくあげたくないと言っていたが、理由は別にあるのだろうとすぐに察しはついた

アパートに着くと、早速みんなで乾杯をし、みんな喉が渇いていたのか一気に飲んでいた
俺は酒が強かったのだが、残りの三人はみんな下戸だった
大体みんな一本か二本でかなり酔いが回っていて、美鈴さんに限っては高宮に泣きつく始末だった
それで高宮ももらい泣きして酷い状態だった
俺はただただ酒を飲み、雅さんの話を聞いていた
愚痴や大学でのことなど色々と

もう午前5時くらいになった頃、高宮と美鈴さんはすっかり潰れてしまっていた
俺もかなり酔いが回っていたのだが、雅さんとずっと話し続けていた
すると雅さんがあることに気付く

「あれ~。お酒もうなぁいじゃ~ん」

もうあまり呂律が回っていない
しかし、それが可愛くてむしろ俺は悶々とした

「なら、近くのコンビニに買いに行きますか?」
「うん!行こうよ~」

そして、まだ日が出ていない真夜中の道を二人で歩き始めた
酔ってはいたが、三年振りのあの頃に戻った感覚があり、感動のあまり涙腺が緩んでいたのを覚えている
今、まさにあの時のままの二人の姿があるのだ

再び、俺達だけの世界が現れた
その時月は優しく俺達を照らしてくれていた

「こうやって月君と真夜中一緒に歩くのは三年ぶりかな?」



224 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/19(日) 23:40:09.92 ID:Y0Z18Z3/0
「そうですね。正確に言うと三年半ぶりですかね」
「そうかー。そんなに月日が経ったんだね」

俺達はコンビニの前に到着したが、俺が立ち止るといきなり腕を引っ張られた

「どうせいまだ戻らなくていいでしょ。だからもうしばらく一緒に散歩しようよ」

俺は胸が高鳴った
思いもしなかった言葉が彼女から発せられ、それは俺の願望を叶えるものだったからだ
そのまま俺は雅さんの手を引いて、あの大きな橋まで連れて行った
その時の雅さんの笑顔はまだ忘れられない
大人の女の中に、あどけない少女の表情が覗え、あの時の彼女の笑顔と俺は被って見えていた

「また久しぶりに月君に宝石見せてもらうんだね」
「そんな大層なものではないですよ」
「いやいや。あたしは月君が見つけ出した宝石が大好き。なんていうか今とても不思議な気持ちだよ。久しぶりの感覚に感動しているんだね」

彼女はすこし目を潤ませていた

橋に着くと、彼女はまた感嘆していた
その目からは涙が流れていて、俺はこの人の本質は何も変わってないと感じた
あの時のままの純粋な心であった
俺は心の奥に温もりを感じていた
なんとも言えない心地よい温もりだ

俺は自然に彼女の手に指を絡めていた
それを彼女も絡め返していた

しばらく二人はそのまま沈黙を続け、前方に広がる街並みを眺めていた
俺達以外に何もなかった
人も車もなにもかも
そして、沈黙を破るように俺は雅さんを抱き寄せた

「雅さん。俺、ずっとあの吹雪の日からあなたが好きでした」



225 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/19(日) 23:41:39.54 ID:Y0Z18Z3/0
ちょっとコーヒー飲んできます
すぐ戻ります



226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/19(日) 23:45:05.24 ID:43mVP6qoo
またいいところでww
切ないなあ



230 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/19(日) 23:56:28.24 ID:Y0Z18Z3/0
また書きますww
さて、もう今回で昔話後編も最後を迎えられそうです

では、書いていきますね



232 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 00:22:28.52 ID:rYHX51/N0
静寂がより一層深くなり、俺達の心臓の鼓動しか聞こえなかった
俺の腕の中には今好きな女がいる

しばらく世界が止まっていたが、彼女の一言でまた世界は動きだした

「ごめん…」

抱きしめていた腕をとくと、彼女の顔は涙でぐちゃぐちゃだった
涙は頬をとめどなく流れていた

俺は最後まで伝えたかった

「待ってください。最後まで聞いてください。俺は雅さんが好きです。だから、付き合ってください」

俺は伝えたかったことをすべて伝えた
すると雅さんは余計に大粒の涙を流した
光に照らされた涙は何故か切ない輝きを放っていた
そして、雅さんが口を開いた

「月君…。ごめんね…。付き合うことはできない…本当にごめんね…」

俺はなんとなく分かっていたのか、なんとも言えない笑みを浮かべていた
悲しいのか、嬉しいのか、達成感に満ちているのかわからないものだった

「ありがとうございました雅さん。これであなたとお別れすることが出来た気がします
三年半追い続けたあなたに再会して、そして、自分の気持ちをしっかり伝えることができた。もう感無量です」
「え…」

俺は彼女の声は聞かなかった
俺は精いっぱいの痩せ我慢をしていただろう
コンビニには寄らず、彼女より一歩先を歩いていた
時々空を仰ぎ、月を見ていた

その後朝を迎え、解散となり、雅さんは赤く腫れた目のまま帰って行った



233 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 00:38:12.79 ID:rYHX51/N0
その後、みんなが帰ったのを確認し、俺はベッドで今まで堪え続けた涙を思う存分流した
幼少期以来だったであろう
俺は声を出して泣いたのだ
それは部屋の中で静かに響いていた


そのまま俺は泣き疲れたのか、高宮から電話で眠りから覚めた
俺は高宮に昨日のことをすべて伝えた

「月。お前はよくやったよ。本当に。お疲れ様」
「ああ…」

電話を終えると、夜も更けていて、俺は前に借りていてまだ見ていなかったDVDを見ることにした

俺はやはり諦めがついていなかったのだろう
俺はそれを見た後、最後の最後にもう一度想いを告げようと奮起する



昔話
―完―



234 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 00:41:57.39 ID:rYHX51/N0

これから先は現在進行している話になります
ある程度ちょっと前のことは昔話のように書きますが、ここからはリアルタイムです

みんなにこの話の完結を見届けてほしい
そして、俺自身勇気がほしいという思いでスレを立てました

だから、昔話長かったですけど付き合ってくれてありがとうございます

雅さんと俺の最後を見届けてください
お願いします



235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/20(月) 00:43:01.23 ID:HBZq8tLyo
大丈夫
最後まで見届けるよ



236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/20(月) 00:44:16.17 ID:7it9xe7/0
青春してますねー
月さんの想いが実ることを祈ってます



237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) 2012/02/20(月) 00:44:32.10 ID:oNGNdKTIo
がんばれ、応援するよ




238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/20(月) 00:44:57.93 ID:wnHc3vBVo
何とか、月さんの想いが成就致されますように…。


239 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 00:47:12.68 ID:rYHX51/N0
みなさんありがとうございます泣
頑張ります
すべては2月26日の日曜日に決まります
その間までに色々と話しておくべきことは書いておきます



240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/20(月) 00:48:25.85 ID:reYYSNyIO
来週か…
見守るよ!



241 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 00:55:03.51 ID:rYHX51/N0
舞台は整ってます
高宮とその他の人も協力してくれてます
だから、俺はあとは頑張るだけ



242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/20(月) 00:57:01.89 ID:qGD6LOgqo
今、どの様な状況にあるのか分からないけど、ここに書いてくれる限り、見守るよ


243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/20(月) 00:57:58.39 ID:7it9xe7/0
その日は予定ないはず・・・
暇があれば月さんのことを祈るよ
どうせ家にいるだろうからね



244 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 00:59:41.19 ID:rYHX51/N0
>>242
ありがとう
明日また書くよ

>>243
感謝します…泣



245 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 01:00:24.22 ID:rYHX51/N0
じゃあ俺は落ちますね
おやすみ



246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/20(月) 01:00:31.45 ID:e4bpnRSko
頑張ってこい。最後まで見届ける。


250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/20(月) 15:35:09.06 ID:RNjznSJDO
勝負の日か…
ROMしてた俺から二言三言、言わせてほしい

頑張れよ

一言しかなかった
応援してる



252 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 22:00:50.70 ID:nioXPziS0
どうも
一応みんなと話したくて来ました
何か聞きたいこととかあれば答えます



255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/20(月) 22:03:55.26 ID:reYYSNyIO
こんばー
日曜がもう一度気持ちぶつける日なんだよね?
店の送別会とかでは話さなかったの?



257 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 22:05:35.38 ID:nioXPziS0
>>255

話しましたよ
その時に日曜日にことは告げました

あ、そうか
どういうことになってるか、まだ話してなかったですよね



258 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 22:06:12.78 ID:nioXPziS0
なら簡単に話し書きます


259 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 22:19:56.63 ID:nioXPziS0
俺は振られてから、DVDを見た
それで、もう一度告白しようと決めて、高宮に協力してもらうことにしたんだ
その他に、俺もしっている高宮の友達二人にも協力してもらおうと願い出た

俺がどういう告白をしようとしているかというと、それは―バンド―
俺の大学では二月の最後の日曜日に軽音の人達が卒業ライブをやることが恒例になっている
それを高宮と俺が直々にライブに参加させてくれと頼んだんだ
そしたら、先輩とも話してくれて、後日快くokしてくれた

俺と雅さんのことを歌っているような曲があったから、それを彼女に聞いてほしかったんだ
だから、約二カ月練習してきた

俺がボーカルで、高宮はギター、他の人がベースとドラムをやってくれる
そして、演奏自体はもうある程度出来ているんだ

あとは26日を待つだけ



簡単に言うとこういうことです





260 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 22:22:55.49 ID:nioXPziS0
年末に開かれた送別会の時、ライブがあるからきてほしいとお願いして、雅さんは「うん…」っと答えた

でも、その返事は歯切れが悪いものだったんだ
だから、俺は今から電話して、もう一回ちゃんと頼んでみようと思う




261 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 22:24:08.90 ID:nioXPziS0
今からかけて、ライブにきてほしいこと、そのライブでしっかり気持ちを伝えたいということを言いたいと
思います

じゃあいってきます



262 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 22:29:24.94 ID:nioXPziS0
無理だ
かけられん



263 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 22:35:32.01 ID:nioXPziS0
留守電だった

だから
「月です。2月26日の俺の大学でのライブ絶対来てください!俺…最後にちゃんと言いたいんです
だから、必ず聞きに来てください。雅さんのために練習してきました。俺待ってます」


こんな感じ
あとは待つしかないということで


もうすべてを話しつくしました





264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) 2012/02/20(月) 22:36:32.52 ID:meg+pnsLo
頑張ってください

陳腐だけど頑張ってとしか言えない

頑張ってほしいです



266 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 22:38:11.27 ID:nioXPziS0
>>264

ありがとう
これで来てくれるか不安だったけど、本当の意味ですべて準備できた



265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/20(月) 22:38:07.60 ID:7it9xe7/0
成功を祈るよ

悔いを残さないように演奏してね



267 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 22:38:50.08 ID:nioXPziS0
>>265

はい
不安ですけど



268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) 2012/02/20(月) 22:50:37.65 ID:PQXw5Ydt0
ガンガレ 俺も一回やったけどライブでの告白はマジで緊張するぞ 
 
心の準備をしっかりな




269 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 22:59:56.48 ID:nioXPziS0
>>268

雅さんに対してとかそういうことは敢えて言いません
ただ「好きな人のために歌います」とだけ言います



271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/20(月) 23:08:01.76 ID:KhPKByl3o
なにこの熱い展開!
頑張れ月!



272 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/20(月) 23:10:58.34 ID:nioXPziS0

ありがとうございます
あと6日なので…
行く前にここに書いてから臨みます



285 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/22(水) 01:04:32.88 ID:jOXPrjvo0
みんなが言っている通りですね
今日電話が来ました

雅さんに「月君は好きだけど、あたしには月君にはいえないことがある。ただこれだけは謝らせて。あたしに年上の好きな人なんかいない。好きなのは三年前に吹雪の日に出会ったあなたです。大好き。でも、付き合うことはできない
ごめん…」

っていわれた

何を突っ走ってたんだろうな

気付けば俺は彼女のことなんか何も知らなかった

それなのにただ感情に任せていた

みんなの言うとおり、思い出は思い出のままの方がいいね

好きと言われたけど、付き合えないのには多分言えない理由があると思ったから俺は「わかりました。雅さんありがとう。大好きです」
って言って電話を切ったよ

その後また泣いてしまって、落ち着いたから今ここに報告しにきました

ライブは思いっきりすべてを吹き飛ばすように歌います



286 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/22(水) 01:10:43.25 ID:jOXPrjvo0
多分留守録を聞いて、かけてくれたのでしょう

思い出が良い思い出だけにせつねぇわ…



287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/22(水) 01:11:48.74 ID:/MWyPNQSo
仲良くなって、言えないことを聞こう、とは思わないのか?

知りたくないのか?

ちゃんと決着ついてないと思わないのか?



289 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/22(水) 01:13:44.92 ID:jOXPrjvo0
>>287

いや、ついたんですよ
これだけ彼女が口を閉ざしている
もし、言えるのであれば彼女から俺に言うはずです
知りたいとは思いますよ
でも、知ることでお互いが不幸になることもあるのかなって



288 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/22(水) 01:12:08.28 ID:jOXPrjvo0
俺はちゃんと彼女の幸せを願います
そして、必ず俺は成長していきます



290 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/22(水) 01:17:17.93 ID:jOXPrjvo0
それに彼女の秘密は多分誰にも言えないものなんでしょう
泣かれながら電話でああ言われて、俺に秘密を言及しようとは思えませんでした
それだけ彼女の夜は深いってことです



291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/22(水) 01:19:39.08 ID:/MWyPNQSo
彼女のことをあんまり知らないと言った月に言うはず?

これ以上傷つきたくないからって、自分で深入りするのを止めてるだけない?



292 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/22(水) 01:21:47.54 ID:jOXPrjvo0
>>291

そうですかね
俺にもわからないんです…
これ以上踏み込んでいいのかどうなのか…



293 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/22(水) 01:25:53.43 ID:jOXPrjvo0
まず俺、雅さんについて聞いてみようと思いますけど、どうしよう…
俺また臆病になってしまってる…



294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/22(水) 01:28:56.82 ID:/MWyPNQSo
恋愛ってワガママなもんだから。

月がそこで満足させてやめようとしているのは言葉じりからも見える。

でも、本当に納得はしてないんだろ?

シリアスにしなくていいから、雅と仲良くなって色々お話しなよ。



295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) 2012/02/22(水) 01:36:31.96 ID:NLcTuOhOo
あまりにくだらない理由なら、その理由ごと蹴散らせ


296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/22(水) 01:37:12.75 ID:/MWyPNQSo
恐れることはない、自分の欲望には素直に従え。

月と同じ感情を雅は持っているのは確か。



299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) 2012/02/22(水) 03:36:29.58 ID:7iCD0lJTo
両想いだってことが分かったのによく諦められるな

俺だったらそんな風に一人で納得して終わるんじゃなくて諦められない旨を伝えてどうにかしてその理由聞くわ

諦めるかどうか考えるのはその後だろ



321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/23(木) 20:51:14.76 ID:OboW1HKIO
俺としては一度でいいから深夜徘徊に二人で行って欲しいな…
ま、これは聞き流してくれ!



327 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/24(金) 18:05:37.93 ID:kSwh1cT60
こんばんは

ここには来てたけど、敢えて書き込みはしなかった

みんなの意見それぞれ読ませてもらいました

確かに俺が雅さんとのことを美しい思い出として残したいと言うのは、俺の感情に相反している詭弁
ただ、自分の感情に任せて行って、彼女を傷つけないか心配でもあったんだよ
でも、意見を読んでてわかったのは、これでお互い本当の意味ですっきりはしてないと思います
少なからず俺はそうです

だから、俺は彼女漏らさない秘密がどんなのであろうと受け入れようと決心はつきました
第一、もし雅さんが俺にまったく何も期待していないのなら、秘密があること自体隠しておくはずであるし、「大好き」とは言ってもらえないと思う

俺は自分自身が傷つきたくなくて、また身を引いてしまっていた
臆病になっていた

でも、俺はちゃんと自分自身にも雅さんに対しても向き合おうと思います

だから、今から連絡取れるか試してみます
今決して告白とかではなく、ここに書いてる人もいましたが、散歩しようと誘ってみようと思います



328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/24(金) 18:13:35.68 ID:Lux6/vaAo
がんがれ。


329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/24(金) 18:44:32.10 ID:9mxrryBIO
いい返事を祈ってる


330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) 2012/02/24(金) 18:47:25.39 ID:IjDaWbh5o
上でいろいろ勝手言わせてもらったが
幸せを掴んでくれ。
悔いは残さないで。
応援してる。
それだけだ。



331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東海) 2012/02/24(金) 19:03:35.92 ID:OyrHwIbAO
月~
しっかり見てるからな

最後までついてるぜ



340 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 00:34:45.09 ID:UJ87+e3O0
ただいま
今明日?も今日か
打ち合わせして帰ってきました

それで、昨日の報告した方がいいですか?



341 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 00:35:38.97 ID:UJ87+e3O0
もしいるなら俺は聞いて、色々意見してほしいので、ある程度人数集まったら報告したいです


346 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 01:00:30.05 ID:UJ87+e3O0
正直もう弱い自分とは決別したかったので、ここに書きこんだあとに行動に移しました

6時半頃
俺はまず、電話してみたんだ
でも、留守電になってしまっていて、彼女は出なかった
それから一向に電話は来ない

暫く待つこと6時間、もう時計は12時を回っていた
俺の携帯に着信があって、見たら雅さんだった
俺が出ると、彼女はなんとなく気まずそうな感じで電話に出る

「ごめん。用事あって電話出られなかった…。どうしたの?」
「いや、これから俺と会えませんか?」
「え…?これからって時間もあれだし、電車だってないよ?」
「それは大丈夫です。なんとかして行けます。ちょっと散歩しませんか?」

すこし考えたのか、彼女は間を置いて俺に聞いてきた

「まずその前に、どうしてまたそんなこと言うの?」
「雅さんと散歩したいんです」
「それだけなの?本当に」
「いや、俺腑に落ちてないんです」
「なにが?」
「どうして、俺に対して振っているのに大好きって言ったんですか?」
「いや、それは素直な気持ちを伝えたくて…。でも、振ったのにも理由があるの。それをわかってほしい」
「わかっているつもりです。でも雅さん俺から逃げてません?」
「別に…」
「俺は昨日まで逃げてました。でも、もう自分からも雅さんからも逃げないって決めたんです」

また雅さんは黙った。それからまた口を開く

「わかった。あたしのとこまで大体20キロくらいでしょ。あたしの住んでる町来たことある?」
「あります」
「なら、観光である程度は有名なカトリックの某教会の前に来て」

そこは俺も場所は知っていた

「わかりました。朝方になるかもしれないですけど、待っててください」
「うん…。大丈夫なの?」
「大丈夫」

そう言って1時くらいに俺はアパートを出た



348 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 01:16:51.41 ID:UJ87+e3O0
俺は寒い中走った
俺が近くまできたら、雅さんに連絡を入れることになっていた

しかし、寒いのも相まってすぐ息が上がる
途中で足が攣ったり、すべて転んでボロボロだった

俺が教会についたのは午前5時
雅さんに電話をした
それから20分ぐらいして雅さんが来た
彼女は俺の姿を見て、驚いていた
濡れたアウターに、真っ赤になってる手と顔を見て

「月君…。大丈夫…?」
「はい。大丈夫です」

何も大丈夫ではなかった。足が攣ったせいで、痛みはあるし寒いし、濡れて気持ち悪くて酷かった」

「よく歩いてきたね…。どうしてそこまで…」
「雅さんに会いたかったからですよ」
「それだけで?」
「その一心だけです」

すると雅さんはため息をついた
顔は俯いたまま、「馬鹿…」と言っていたのが聞こえた
雅さんが顔を上げるとどことなく、目が潤んでいた
彼女はポケットから手を入れて、あるものを取り出して俺に渡した
それはカイロ

「それ使って、手とか温めなよ」
「めっちゃあたたけぇ…」
「本当に馬鹿…」



354 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 01:29:11.06 ID:UJ87+e3O0

「この教会ね。あたしの好きなスポットの一つなの」
「ここ綺麗ですもんね」

白い壁に、円形のステントグラスで、雪がすこし積もってて綺麗だった


雅さんは俺の目を見てきた
何かを探ろうとする目だ

「話したいことあるみたいだし、この先にある公園でいい?」
「うん」

そのまま公園に向かった



355 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 01:47:45.86 ID:UJ87+e3O0
その公園は辺鄙な公園で、しかも雪が深かった

「ありゃ、こんなに深かったかな」
「これじゃ、無理ですよ…」
「そうだね(笑)」

やっと雅さんが笑ってくれた

「じゃあ教会の前に戻って、その敷地内で話そうか」
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ」

俺達は教会の前に戻った

門の前にある階段に隣同士くっつくような感じで座って話し始めた
最初に切り出したのは雅さん

「どうしてあたしに会おうと思ったの?」
「電話でも話した通り、雅さんからも自分からも逃げたくなかったからですよ」
「ふーん。逃げてたんだ」
「はい。正直中途半端だったんです。自分の気持ちにもキリついてないのに、雅さんを諦めようとした
でも、それは一番しちゃいけないことだと思えるようになったんですよ」
「どうしてしちゃいけないと思ったの?」
「お互いなにも変わらないから」

雅さんはすこし驚きを隠したような感じがした

「なるほどね。ならあたしもすこし真実を教えてあげるね」
「はい」
「あたし言えない秘密があると言ったじゃない?秘密は一つだけじゃない。二つある」
「そうなんですか」
「あまり驚かないのね」
「はい。俺は全部受け止めたいんです」
「どういう意味…?」

雅さんの顔がすこし強張る

「俺は雅さんのその秘密も全部含めて受け止めたいんです」
「受け止めるって…何も知らないくせにどうしてそんなこと言えるの!?」

彼女は目に涙を浮かべながら、俺に怒鳴っていた
今までで初めてのことである
しかし、俺はその剣幕には動じなかった



358 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 02:19:44.69 ID:UJ87+e3O0
「俺は雅さんの月ですから」

それは三年前の言葉を口にした

「優しく雅さんを照らしたいんです。ちゃんと支えになりたい」
「そうやって言って逃げた男がいる。だから月君だって…」

俺は初めて雅さんに本気で怒った

「他の男と俺を一緒にすんなよな!俺は俺、そいつはそいつだろうがよ!
俺の覚悟はそんなもんじゃねぇ!端からそんな気持ちならこうやって会いにはこねぇだろう!
俺はあんたが大好きで、ずっと支えたいって本気でそう思えたからこうやって来たんだよ!」

雅さんは俺の怒号にビックリしたのか、目を丸くしていた
それから数秒後、彼女は泣き始めた
膝を抱えて、肩を揺らしながら

それを見て俺は「ごめんね。雅さん」と言って、震える肩を抱き寄せた
すると

「月君…。ごめんね…。でも、いますぐ君に全部は話せないし、付き合うこともできない…
まだ信用できないもの…。
それでも、あたしを見続けてくれるって言うの…?」
「ああ。見続ける」

雅さんは泣きながら俯いていた顔を上げて、俺を見た

「それをどう証明してくれるの…?」
「明日のライブ見に来てほしい」

彼女は暫く無言だった
暫くして口を開く

「わかった。行く」
「ありがとう。待ってるから」

俺は彼女との約束をとりつけた



360 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 02:27:28.29 ID:UJ87+e3O0
その後、俺は雅さんの肩を抱いたまま、あることを言った

「時間ある時でもいいから、また二人で真夜中の道を歩きたい」
「そうだね。でもそれに応えるか応えないかはまだ言わないね…」
「うん」

太陽も昇っていて、時間を見れば7時過ぎ

「雅さん帰ろうか」
「うん」
「家まで送るよ」
「あ、じゃあお願いしようかな」
「手出して」
「え?」
「いいから」

俺は雅さんの手を握り、家まで送り届けた

駅まで歩いて、電車に乗り、アパートに戻った

くたくたに疲れていて、爆睡
しかし、高宮からのバンドの最終調整があるということと打ち合わせがあるという電話で起こされた

高宮にはその電話で雅さんとの旨を伝えると、応援すると言ってくれた


以上
長くグダグダですけど、報告終わり



359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) 2012/02/26(日) 02:25:32.99 ID:/SkNgvFBo
ライブ前に会ったのは良かったのかもと思った


361 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 02:29:33.62 ID:UJ87+e3O0
>>359

そうかも知れないです
今日のライブに繋げることができました



363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/26(日) 02:31:20.10 ID:P2qYcVoho
がんばったな
おつ

後はステージでだ
お前のエゴでステージを私物化しても構わない
想いを全部吐き出してこいよ



365 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 02:33:25.75 ID:UJ87+e3O0
>>363

ライブで彼女と高宮だけにわかるように言います
ただ、三年前から思いの丈をすべて歌う前に吐くつもりです
あとは彼女は明日ちゃんと来てくれることを祈るだけ



367 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 02:38:16.42 ID:UJ87+e3O0
みんなには本当に背中押されたよ
ありがとうね
みんながいたからこそ俺は成長出来て、彼女との関係も諦めなくて済んだんだと思う
今の自分があるのはみんなのおかげだよ
本当にありがとう



368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) 2012/02/26(日) 02:40:43.08 ID:bSL2nnhWo
まあよくやったよ
たまには感情のままに動くのも悪くないだろ
でも感謝の言葉を言うのはまだは早いような気がするぜ
ライブ頑張ってこい!!!!!



370 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 02:42:11.35 ID:UJ87+e3O0
>>368

でも、みんなの言葉がなければ終わりでしたから
頑張ります!



371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/26(日) 02:49:03.86 ID:pC1Tyd9Oo
ずっとROMってたけど応援したくて書き込みすることにした。

月の思いは伝わると俺は信じている。
思う存分楽しんで来い!!

報告楽しみにしている。



372 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 02:53:37.28 ID:UJ87+e3O0
>>371

ありがとう
明日気持ちを伝える
でも、それで向こうが証明されたと感じて、ようやく俺はスタートラインに立てる
すべては明日から始まる
だから、明日のライブは俺の気持ちはこれだけ本気なんだぞって言うのを伝えるためのライブ

最初はこのライブを歌ったら終わりになるかなと思ったんだけど、案外もうすこしみんなには付き合ってもらいたいんです
いいですかね…



374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/26(日) 02:54:08.71 ID:F2gIaevDO
なかなかカッコいいじゃん


人の心の傷に触れることはすっごく辛いこともあるかもだけど、守ってやってくれ

ライブ成功するといいな
ノシ



377 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 02:59:20.10 ID:UJ87+e3O0
>>374

うん
ちゃんと守れるようになる
ありがとう
頑張るよ

必ず、証明していつになるかは分からないけど、付き合って支えるようになるよ



380 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 03:18:11.51 ID:UJ87+e3O0
これは予測ですけど、俺を傷つけたくないからと彼女が言いだすかもしれない
でも、もう俺は逃げません



381 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 03:44:40.10 ID:UJ87+e3O0
じゃあ頑張ってきます

おやすみ



382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/26(日) 03:46:16.93 ID:gYKKBWheo
おやすみ。
精一杯やってきな。



383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/26(日) 03:49:51.86 ID:P2qYcVoho
おやすみ
迎える明日が二人の大切な日になる事を祈る



392 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 16:15:30.58 ID:jIcB35zAO
ではいってきます!


393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(島根県) 2012/02/26(日) 16:17:04.65 ID:TV3w3Dhyo
いてらー


394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/26(日) 16:18:43.63 ID:pC1Tyd9Oo
いってら


395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) 2012/02/26(日) 16:18:59.85 ID:lphQrl650
>>392
健闘を祈る



396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/26(日) 16:20:11.71 ID:ZLs39ptyo
やりきってこい!!


397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) 2012/02/26(日) 16:32:25.44 ID:jbLFSUpWo
がんばれ月~~~~~~
めっさ応援してるから><



399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/26(日) 17:46:32.96 ID:F2gIaevDO
その曲名教えてくれんかね?

その曲聴きながら報告待ちたいんだが



400 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 17:59:09.10 ID:jIcB35zAO

では思いっきり歌ってくるね
7時30分くらいのステージ

曲はアジカンのソラニン

この曲は決して恋人との別れじゃないから

頑張ってくる



401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) 2012/02/26(日) 18:00:10.10 ID:/SkNgvFBo
(`・ω・´)ガンガレ!


402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) 2012/02/26(日) 18:02:36.72 ID:/SkNgvFBo
ソラニン俺も好きだ
つか、アジカン自体にこの頃ハマってる

7時30分頃に聴いとくか



403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/26(日) 19:25:10.05 ID:8m+Jr7AIO
そろそろだ…
いってこい!



404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(三重県) 2012/02/26(日) 19:29:34.26 ID:YJYW/aKPo
月君頑張って


405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) 2012/02/26(日) 19:47:17.75 ID:YZk6clzLo
月は思いが伝えきれたかな


406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/26(日) 20:50:13.17 ID:gYKKBWheo
こっちが緊張してきたww


408 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 23:48:02.85 ID:zAQYkVxA0
ただいま


409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/26(日) 23:49:17.62 ID:pC1Tyd9Oo
おかえり。
おつかれさん。



410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) 2012/02/26(日) 23:49:48.52 ID:6jqcluMUo
おかえり!待ってたよ


411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) 2012/02/26(日) 23:50:35.71 ID:k6cWTn6s0
おかえり


414 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 23:52:38.90 ID:zAQYkVxA0
なんてか、変にドラマチックになってしまったわ…ww



415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/26(日) 23:53:50.61 ID:v1Z6wTFAO
テンションたけーな


419 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 23:56:02.65 ID:zAQYkVxA0
>>415
普通ですよ
ライブが終わったから緊張の糸が切れたのもあります



416 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 23:53:58.39 ID:zAQYkVxA0
打ち上げはあったけど、俺は参加できませんでした



421 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 23:56:34.11 ID:zAQYkVxA0
今トイレいって、コーヒー持ってきたら書きます


422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/26(日) 23:57:33.21 ID:pTdfzp8IO
待ってました!
wktk



424 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/26(日) 23:58:08.88 ID:zAQYkVxA0
じゃあ
ソラニン聞きながら書きます



426 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 00:14:18.08 ID:B/XV7JvQ0
午後6時
俺は大学の体育館にいた
そこで、卒業ライブが行われることになっていて、6時開始だった
体育館は満員になるくらい人がひしめいていて、
最初のバンドが演奏しだすと、俺は不安と緊張でいっぱいになっていた
公の面前で歌うというのもそうだが、なによりも雅さんが来てくれるのか、そして、俺の唄が彼女にちゃんと届くのかが
心配であった
それを察してくれたのか高宮が俺の顔を見て言う

「お前の気持ちをすべて唄に込めたらいいんだよ。音はずそうがなにしようが思いっきり歌え!なにも怖がることはねぇよ
誰かのために歌うなんて素敵じゃねぇか。俺はお前みたいな真似はできない。だから思いっきり応援したい」
「ありがとうな。高宮」

俺は彼のその言葉に勇気を貰った

―必ず彼女は来る。そして気持ちは全体に届く―

雅さんには俺の出番の時間は伝えてあった

だが、雅さんは俺の出番が近付いていくが来る気配がない

さらに不安ばかりが膨らむ



7時
まだ彼女は姿を現していないようだった
俺は高宮に
「なあ。雅さん来てない…。来ないのかも」
「大丈夫だって!まだあと30分くらい時間あるんだし、慌てるなって。落ち着け」
「でもよ…」
「来る!雅さんはお前を裏切ったりはしねぇよ」

確かに彼女はそういう人間ではない
しかし、彼女の心境などを考えると必ずしも来てくれるんだという自信はなかった

どんどんと俺の出番は近づいていく
それにつれてまた俺の悪い癖で、逃げてしまいたくなっていた
俺は自分自身を制した

―もう絶対逃げないって決めたんじゃないか―

俺は深呼吸をした



427 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 00:22:19.68 ID:B/XV7JvQ0
携帯を見ると、時間は7時30分になっていた
俺は何故か足が震えてきた
するとそこに先輩が来てくれて、俺の持ち時間がなんて無制限だと言う

「え?どうしてなんですか?」
「高宮から色々聞いたからさ。大丈夫。沢山喋ってくれ。そして気持ちよく歌ってほしい」
「でも、先輩に悪いですよ…」
「他の奴らも了承してるから大丈夫だ。この場を自分のものにして構わないから。頑張れや!
俺もお前の覚悟聞いてみてぇ」
「なんかすいません。お言葉に甘えて時間はとらせてもらいます」
「おお!よし!このバンド終わったらお前らだからな!楽しみにしてるぞ!」

そういって先輩は俺の肩をポンと叩いてその場を去って行った

そしてついに、俺らの出番が回ってきた
高宮は俺の背中を叩いてきた

「月。後悔しないようにいこうぜ」
「ああ」

結局雅さんを会場にいるかどうか確認できないまま、俺はステージに立った



428 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 00:37:05.35 ID:B/XV7JvQ0
ステージに立つと、スポットライトが俺達を照らし、ここだけ灼熱のような暑さだった
人の熱気と電気の熱がすごかったのだ
俺はマイクスタンドの前に立ち、そして体育館を見渡した
しかし、雅さんらしき人物は見当たらない
俺は俯き、吐息を吐いた
会場はすこしザワザワしだした

「あいつどうしたんだ?」
「歌わないの?」
「緊張してるの?」

と言った声が聞こえてきた

高宮が俺に小声で声をかける
「おい、月、なんでもいいから…」

俺はそれを最後まで聞かず、顔を上げた
そして、マイクを握り、話し始めた

「えーと。どうもはじめまして。みなさん元気ですか!?」
「元気!」

会場の声が一斉に俺に届いてくる

「今日は普通に演奏するんですけど、俺達先輩たちから少し時間をいただいたので、色々と話したいことがあるので
話したいと思います」

俺は最後の悪あがきで、時間稼ぎをしたかった

「俺は今日のライブで、好きな人に向けて唄を歌おうと思っています」

すると、会場が急に沸いた

「このライブでその人に全てをぶつけたい。そして、ずっとその人だけを見てるんだということを伝えたい」

そして、これが次のことを話そうとした時、体育館のドアが開き、薄暗くなっていた体育館に一筋の光が入ってきた




429 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 00:58:08.89 ID:B/XV7JvQ0
その光に導かれるように、ドアを見るとそこには雅さんが立っていた

俺はマイクを持ったまま、また俯いて、誰にも聞こえないように
「ありがとう」
と呟いた

また俺が顔を上げると、雅さんが俺を見ながらステージに向かって歩いてきた
俺は彼女に分かるか分からないかぐらいで、笑って見せた
すると、彼女も微笑み返してきた

これで全てを出し切ることが出来ると思い、また語りを始めた

「俺がその好きな人と出会ったのは三年半前の吹雪の日の真夜中でした。
彼女はその吹雪の日にアイスを食べていて、しかも、おいしそうに食べているんですよ
何故か俺にはその笑顔がとても眩しかった
そして、ずっと詰まらなかった日々が彼女のおかげで楽しい毎日へと変わっていきました
その時から俺は彼女に恋をしていたが、突然に彼女と離れ離れになってしまったんですよ
それから、3年が経った頃、俺はまた彼女と再会することができた
ずっと追いかけ続けた彼女と再会出来て、俺は本当に嬉しかった
しかし、俺が自分からも彼女からも逃げてしまっていて、お互い納得いかないような関係がずっと続いていた
このままじゃいけないと思い、もう自分からも、そして彼女からも逃げないと決意した
俺はここでちゃんと宣言する
俺はずっとお前だけを見ている。俺にはお前が必要なんだ。本当に大好きです!」

俺は全てをその場で言いきった
雅さんは泣いていた
会場は思いっきり盛り上がりをみせていたのだが、泣いている人が多く目についた

「じゃあ、語りはここまでです。
今から歌う唄は弱かった自分との決別する唄です
聞いてください。ASIAN KUNG-FU GENERATIONでソラニン」

ギターが鳴り、演奏が始まった








430 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 01:03:08.90 ID:B/XV7JvQ0
ここからは一部の歌詞を抜粋します
どうしても俺と雅さんを投影してしまいます

寒い冬の冷えた缶コーヒーと
虹色の長いマフラーと
小走りで路地裏抜けて
思い出してみる

たとえばゆるい幸せがだらっと続いたとする
きっと悪い種が芽を出して
もうさよならなんだ




431 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 01:11:12.15 ID:B/XV7JvQ0
俺は最後まで歌いきった
そりゃ、もうめちゃくちゃなくらい大声で、そして今まで溜めてきたものをすべてぶつけていく勢いだった

歌い終わると、少し静寂は包み、その後にみんなが大きな拍手喝采を送ってくれた

俺が雅さんを見ると、彼女は泣き笑いして、一つ頷いた

ライブは言わずもなが大成功に終わったのだ

ステージを降りると、雅さんのいた所に向かったが、すでに彼女はいなかった
俺は高宮にそのことを伝えると

「は?何してんだよ!早く追いかけろ!」
「でも、どこいったのわかんねぇよ!」
「駅の方向に決まってんだろう!」

俺は上着もなにも着ずに、その場から飛び出した
まだすぐ近くにいるはずだと思い、俺はとにかく駅の方向に走った



432 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 01:11:41.49 ID:B/XV7JvQ0
ちょっと休憩
疲れました…ww



433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/27(月) 01:13:29.07 ID:/cGyq/wDO
今北よ お疲れ様
舞台照明は暑かったろう



434 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 01:15:04.64 ID:B/XV7JvQ0
>>433

暑かったです…



435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/27(月) 01:16:37.55 ID:bNEYn1sAo
ソラニン俺の好きな曲だけど、
これ以上ないくらい良い使い方されてんな



437 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 01:18:46.97 ID:B/XV7JvQ0
>>435

一回聞いて、すぐ好きになりました
この唄で、雅さんに気持ちを伝えたかったんですよ



436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/27(月) 01:17:51.45 ID:c2kfZ9Ppo
お疲れ
凄く疲れているだろうからあまり無理しないでくれよ
こっち側は待つことに慣れているから心配しなくてよろし



438 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 01:19:44.03 ID:B/XV7JvQ0
>>436

疲れてますけど、大丈夫です
春休みですし



439 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 01:20:52.81 ID:B/XV7JvQ0
じゃあ続き書きます


440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) 2012/02/27(月) 01:22:29.06 ID:o8DXioflo
脳内でソラニンのイントロが鳴って鳥肌立った
歌詞もぴったりだったんだな



441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東海) 2012/02/27(月) 01:26:19.66 ID:SqocD6tAO
月おつかれっ!

報告ゆっくりで良いからね^^



442 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 01:37:46.07 ID:B/XV7JvQ0
俺が走るとすぐそこに雅さんが歩いていた

「雅さん!」

俺が叫ぶと、雅さんが目を赤くしてこちらを振り返った
すると、向こうも叫び返してくる

「なにーーー」

ここから叫び合い
しかも、お互い近づかない
雪がすこしパラパラと降っていた

「気持ち伝わったーーー?」
「うんー!」
「これで証明できたでしょー?」
「うんー!ねぇー、あの橋いこー!」
「橋ー?」
「うーん!月があたしに告白した橋ー!」

正直こんな大声で言われるとさすがに恥ずかしい
俺が彼女に近づいていくと、俺の頭に降り積もった雪を背伸びして払ってくれた
そして、俺達は雪の降る中橋に向かって歩き始めた

橋に行くまでに俺達は何か心にあった何かが溶けてなくなっていくような感じがしていた
それが一体なんなのか俺には分かっているのだが、説明しがたい
彼女とこんな気分で歩くのは初めてだった
いつもにないように笑顔が彼女の顔からは覗えた
それを見ると、俺は余計彼女が愛おしく思えた

橋に着くと、俺は手すりによしかかった
ほっと一息吐く
白い息が彼女の頭の上で消えた



443 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 01:39:03.03 ID:B/XV7JvQ0
すまん
ここからが重要なんですけど、疲れたから寝ますww
明日ちゃんと最後まで報告しますね



444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) 2012/02/27(月) 01:39:52.58 ID:zHDyRDU80
待ってるぜ
月のペースで問題ない



445 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 01:40:51.77 ID:B/XV7JvQ0
ダメだ
読み返したけど、疲れてるせいで誤字酷い…ww
みなさん脳内で変換したりして読んでくださいww
おやすみ



446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) 2012/02/27(月) 01:41:23.62 ID:SctQ8ei0o
お疲れさんです

報告ドキドキしながら待ってますぜ



447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/27(月) 01:42:04.87 ID:o3FRCprW0
お疲れ様
今はゆっくり休め

待ってるからさ



449 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 01:44:24.12 ID:B/XV7JvQ0
あ、因みに今回のことですべては終わらないです
過去から今まででの、大きな意味での第1章が終わったと思ってくれればいいです

では



450 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 01:46:13.71 ID:B/XV7JvQ0
結末はすぐ来るかもしれないし、まだ先が長いかもしれない
そんな予測不可能なものですけど、よろしくお願いします
俺は次の第二章がちゃんとしたいいものになるように、しっかり頑張っていきたいと思います

なんか言いたいことごっちゃですけど、みなさんこれからもよろしくお願いします




451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/27(月) 02:09:17.91 ID:4Ra372Gvo
お疲れさん。

ここまで見てきたんだ、最後まで共に付き合うさ。



458 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 18:53:03.57 ID:1qQy/fw30
みなさん
今日は早めに来ました

特に今日は暇なので、長く滞在したいと思うww
人がいれば



459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/27(月) 18:53:42.88 ID:c2kfZ9Ppo
いるぜ
楽しみだ



460 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 18:55:40.25 ID:1qQy/fw30
じゃあ
昨日の後半の報告していきますね



465 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 19:13:47.84 ID:1qQy/fw30
橋には車の通りはそこそこあったが、人は歩いていなかった
俺達二人っきりだった
俺は雅さんにライブの感想を聞いた

「今日のライブどうでしたか?」
「ビックリしたのと、恥ずかしかったのと、それだけどとても嬉しかった」
「本当に?」
「うん。あんな堂々と言われたの初めてだしね。しかし、よく言えたよね」

正直今思い出すと赤面ものだ…

「確かに恥ずかしさはあったよ。でも、雅さんに証明するって俺は約束したからね。それをしっかり守りたかった
証明したかったんだ」
「そっかー。あたし不安だったんだ」
「何がだい?」
「本当に自分に対しても月に対しても逃げない自分でいられるのかって。だから、今日も最後の最後まで行くのに躊躇してた。でも、行ってよかったよ。月の覚悟聞けたし、それに月が歌ってくれたあの唄はあたしに勇気をくれた。
昔の自分と決別させてくれる勇気をさ。だから、聞いてて心が震えるってこういうことなのかなって思った。
自然と涙沢山出てくるんだもん」
「ちゃんと俺の気持ち、覚悟は伝わったんだよね?」

雅さんは俺と目を合わせて、にっこり笑って、うん、と頷いた
彼女は俺の肩に頭を乗せた

「ありがとう月…」

なんだかその彼女の一言には重みがあった
ここで俺は何か大切なものを背負ったのだと思った

雅さんは一旦俺の肩から頭を離し、俺と対面するように立った
彼女は俺に身体と近づけて俺の両頬に両手を添える
そして、俺の目をずっと見つめながら俺にこう言ったんだ

「絶対私から目を逸らしちゃだめだよ」




467 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 19:32:26.52 ID:1qQy/fw30
彼女が恥じらいながらそ言ったその言葉は、同時に彼女に対しての気持ちを証明できたという意味を含んでいた
彼女はマフラーを外して、俺の首に巻き付けた
そして、カバンから一つの小箱を取り出して俺に手渡した

「これは?」
「かなり遅くなっちゃったけど」
「え?」
「いいから開けてみて」

その箱を開けるとチョコレートが入っていた

「もしかしてバレンタイン?」
「そうだよ」

俺は飛び上がるくらい嬉しくて堪らなかった
その小箱からチョコレートを取り出し、口に含む
味は俺と彼女を象徴するようなものだ
甘いと思うとほんのり苦味があり、苦味を感じるとまた甘さが出てくる
そんな味だった

「めちゃくちゃおいしい。ありがとう」
「口にあってよかった。嬉しい」

雅さんはすこし照れながらお礼を言った

俺は彼女の両手をとった
俺の両手で包む込み、冷たくなった手を温める

「俺これからもっと雅さんのこと好きになると思う」
「うん…。ごめんね…。まだ信じれなくて」
「いいよ。俺はここがスタートだと思ってる。何年でも待つよ」
「ありがとう月…」
「必ず俺はお前の支えになる。それにふさわしい男になるから」
「うん。あたしも必ずちゃんと成長する」
「じゃあさ、真夜中の道を二人で歩きたいって希望はかなえてくれる?」
「勿論だよ。あたしもそうしたい」

こうして、またあの時のように真夜中の道を俺達は二人で歩くことを約束した



468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/27(月) 19:34:56.13 ID:Z9rGnPugo
ええ話や…。


469 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 19:42:48.13 ID:1qQy/fw30
その後、俺達は駅前まで歩き、そこの周辺にあるファミレスで一緒に飯を食うことになった
そこで雅さんはこんなことを言っていた

「あたしの過去には二つ秘密があるって言ってたでしょ?」
「うん」
「今度あたしの家に来てっていったら来る?」
「あ、行く」
「わかった。その時にある程度は話す。今日で決心ついたから」

まだ日時は不明だが、俺はとうとう彼女の過去に触れることになりそうだ

その後駅まで彼女を送り、俺は家に帰った

高宮には礼と報告をしておいた

彼も喜んでくれていたよ



以上報告終わり



470 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 19:43:46.27 ID:1qQy/fw30
それで、明日終電で雅さんのとこ行って、散歩してきます


471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/27(月) 19:47:35.87 ID:MLka74hpo
おーよかったね、おめでとう
一大イベントは成功したが本当はこれからがスタートだ
陰ながら応援してる
次の報告を待ってるよ



473 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 19:49:12.67 ID:1qQy/fw30
>>471

ありがとう
そうですね
ようやく、すべてが始まりました



472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/27(月) 19:48:28.96 ID:eL3ComUDO
月乙

カッコよかったね

もう大丈夫そうだ
二人に素敵な未来がありますように



475 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 19:50:05.52 ID:1qQy/fw30
>>472

ありがとう
未来はわかりません
これからが本番なので



474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/27(月) 19:49:49.51 ID:Z9rGnPugo
諦めないでよかったね。


476 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 19:50:39.52 ID:1qQy/fw30
>>474

皆に支えてもらったおかげです
ありがとう



482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/02/27(月) 20:05:42.59 ID:lpyp4xgso
これで月君の話、終章となって
『月君と雅さん、二人の物語』のプロローグとなった訳だ

また冬からだね



483 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 20:10:50.22 ID:1qQy/fw30
>>482

でも、もうじき春を迎えます



485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) 2012/02/27(月) 20:24:39.35 ID:SctQ8ei0o
ソラニン聴く度にこのスレのこと思い出すだろなぁ


486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(三重県) 2012/02/27(月) 20:51:01.23 ID:bRdM1ddFo
まだ雅さん秘密を明かさないのかぁじらすなぁ
そんなミステリアスなところがまたこの話を面白くしてるんだけどww



487 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 20:59:13.41 ID:1qQy/fw30
>>486

彼女に深い闇ですからね
今から俺はそこに入っていくわけだし



488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/27(月) 21:06:16.51 ID:4Ra372Gvo
でも月はそれを受け止めなければならない。

でもここまでやってこれたんだから月には乗り越える力はあると思うぞ。

頑張れ。



489 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 21:08:45.49 ID:1qQy/fw30
ありがとう
乗り越えるよ
必ず



490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/27(月) 21:18:33.58 ID:SLyg5SsJo
雅さんも月に話すことが出来れば苦しみや辛さが半分になると思う。

そんな単純じゃないかも知れないけど月ならどんなことがあっても大丈夫だろうな。



492 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 21:22:04.17 ID:1qQy/fw30
>>490

俺が雅さんの光にならんきゃ、あの人の闇は一生晴れない気がする
ずっと暗闇の中閉ざしてきた心の扉にようやく、俺が手探りだけど手をかけたから
あとはそれを開けられるかどうか



491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/27(月) 21:21:53.84 ID:kCHj3v1qo
月さんはパー速にスレたててくれたから、この話がPart1でまだまだゆっくりと続けてくれるのですよね?

ゆっくりで良いから続けてほしい



493 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 21:23:33.04 ID:1qQy/fw30
>>491

本当はここらへんで完結してしまうかなとは予想していました
でも、続けて行きますよ
俺達の真夜中の散歩は始まったばかりで、二人で陽を浴びるまでは終わらないです



494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/27(月) 21:25:22.62 ID:Z9rGnPugo
月が太陽に変わる瞬間を私は見たい。


496 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 21:26:10.54 ID:1qQy/fw30
>>494

俺もですよ本当に



499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/02/27(月) 21:31:33.26 ID:o3FRCprW0
続く限り見続けようと思います

よく聞く話ですが、2人なら悲しみは半分に、喜びは倍にってありますよね
2人ならそうなれると思います、頑張って下さい



501 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 21:32:44.16 ID:1qQy/fw30
>>499
ありがとう
俺もそうなれれば一番いいと思ってる



503 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 21:44:12.25 ID:1qQy/fw30
電話きたので落ちますね


504 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/27(月) 22:35:23.52 ID:1qQy/fw30
今から雅さんのとこ行ってきます


505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/02/27(月) 22:37:51.29 ID:0OwusYRAo
>>504
いってらー



515 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/02/28(火) 07:14:47.58 ID:2WSbNnQP0
ただいま

ずっと散歩してました~

眠たいww



517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/02/28(火) 07:29:21.73 ID:zjelxBCPo
>>515
報告待ってるけど、キツければとりあえず寝ろ



520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) 2012/02/29(水) 12:29:16.76 ID:yJ0DKCkHo
報告まだなのかな。。かな?


525 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/01(木) 01:10:56.96 ID:AGiXXcq70
すまん
雅さんのとこいったり、バイトしたりと忙しいんだ…
明日か明後日ちゃんとくるから、待っててください



527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) 2012/03/01(木) 01:28:55.62 ID:V34Jmsb1o
>>525
催促するようなレスしてごめんお(´・ω・`)

月くんのペースでオナシャス
待ってまーす



532 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/04(日) 10:23:38.25 ID:kgy2iYX30
ただいま
久しぶりです
すこし頭を悩ませてました

ここでいうべき秘密なのかどうか…
正直衝撃的で…

もうすこ頭の整理つけてから来ますから、待っていてください



533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/03/04(日) 10:28:39.70 ID:KYGJIyhoo
>>532
月君、おはよう
ゆっくりと気持ちの整理を付けてからでいいよ

やっぱり重たい荷物だったろ?



535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/03/04(日) 13:10:31.48 ID:/UzJgSHIO
言うかどうするかは任せるけど、「どんな雅さんの過去も受け止める」って言ったのは忘れてないでね
ゆっくりでいいからここでも進捗聞かせてね!



537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/03/04(日) 19:24:53.85 ID:MVf8z0j30
ゆっくり、書いていいと思える範囲で書いてくれればそれで
ただ、雅さんのことも考えたうえで行動してほしいな



542 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/04(日) 23:45:59.59 ID:kgy2iYX30
遅くなって済まない

俺の決意は揺らいでないよ
雅を好きでいる




543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/03/04(日) 23:48:57.31 ID:/UzJgSHIO
安心した
好きなように信じて進めるように祈ってるわ



544 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/04(日) 23:50:20.82 ID:kgy2iYX30
まず彼女の出生から
一応ぼかしたりはするけど、大体真実を

彼女は実はかなりのお嬢様で、父さんが株式会社の社長、母さんはもともとホステスのママだったらしい
それで自由がほとんど聞かない家庭で、両親に縛られて生きてきたみたい
それ故に真夜中の散歩を彼女も抜けてしていたらしい
でも、雅が高1の時に両親との間に確執が生まれた
それが悲劇の始まり



546 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/04(日) 23:57:59.42 ID:kgy2iYX30
縛られ続けていた彼女は両親に強く反発するようになった
そこから、一時期荒れたらしい
その荒れ方が彼女の秘密の一つ目に関係している
お小遣いは腐るほどもらっていたらしいのだが、夜になれば繁華街に出かけて人身売買を行っていた
しかも、かなりの頻度で…
それが原因で不妊の体になる




547 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/05(月) 00:02:45.95 ID:kiu8IDYv0
不妊の体になったのは感染症から…

それともう一つは網膜色素変性症を中学で発症している


以上


敢えて答えた



548 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/05(月) 00:04:27.38 ID:kiu8IDYv0

もういいかな
話すことは終わった



549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/03/05(月) 00:06:03.82 ID:qj4AImRko
『ぼくとあの娘』


作詞・作曲/忌野清志郎
編曲/RCサクセション

あの娘はズベ公で ぼくはみなしごさ
とっても似合いの二人じゃないか

白い目で見られるのなんか もう慣れちまったよ
だから本気で温めあっているんだぜ

汚れた心しかあげられないと あの娘は泣いていた
きれいじゃないか



550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) 2012/03/05(月) 00:07:55.05 ID:AZ+skRsVo
お疲れ まあがんばれや


551 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/05(月) 00:09:07.95 ID:kiu8IDYv0
もう一つは彼女の場合、このまま進行すれば50歳になる前に光を失うらしい
極めてまれだが、進行が他の患者より速いとのこと



552 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/05(月) 00:09:56.62 ID:kiu8IDYv0
頑張るよ
ただ、どう頑張ればいいのか
明日は彼女は俺の家にくる



554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/03/05(月) 00:11:16.16 ID:qj4AImRko
>>551
月君が雅さんの一生の瞳になる覚悟はあるか?



555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) 2012/03/05(月) 00:11:39.62 ID:AZ+skRsVo
全部包んでやるんだろ 包み方なんて人それぞれなんだ
月らしくやれよ そこまで頼ったら月が月じゃなくなるだろ



558 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/05(月) 00:13:39.05 ID:kiu8IDYv0
>>554

それは勿論


>>555

ああ




559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/03/05(月) 00:16:30.52 ID:qj4AImRko
もう一つ
月君は、自分の両親と
雅さんの両親から
絶縁する覚悟はあるか?



561 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/05(月) 00:17:26.67 ID:kiu8IDYv0
>>559

絶縁というか、一緒にいることを反対されるのであれば駆け落ちするよ



560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/03/05(月) 00:16:59.94 ID:cOPjyFJWo
想像以上に酷いな
俺は諦めるって言ってもしょうがないかなと思うレベル



563 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/05(月) 00:18:50.79 ID:kiu8IDYv0
>>560

諦める気にはならなかった
ただ、どう包んでやろうか悩んでたよ
明日俺の家に来るのは、俺が呼んだから



562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) 2012/03/05(月) 00:17:51.32 ID:mJagyedu0
早く薬が出来ればいいのになぁ
完治はせずとも、進行を止めるような...

医学は常に進歩してるから。



564 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/05(月) 00:19:46.75 ID:kiu8IDYv0
>>562

うん
本当にそれを願う



565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/03/05(月) 00:20:41.91 ID:YgwNxAAGo
それでも決意が揺らいでいないのであれば、あとはシッカリと受けとめて、二人でどうすれば充実した人生を過ごせるか考えることでは
とりあえず、そこから始める位ではないかな



566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/03/05(月) 00:20:53.32 ID:WaWKaZtn0
失明する大体の期限が分かっているのなら、それまでにたくさんきれいなものを見ればいい
もちろん、月君といっしょにね

まだ先だけど、失明してからも支えていってあげてね
彼女の"目"になるってくらいの覚悟で



568 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/05(月) 00:22:55.84 ID:kiu8IDYv0
>>565

うん
まず明日というか今日から始めるよ

>>566

それは覚悟できてるし、俺自身もそれを望んでる



567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) 2012/03/05(月) 00:22:26.91 ID:mJagyedu0
おれも特定疾患だけど、10年前に比べて
薬はだいぶ良くなってるから希望を捨てないように。



570 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/05(月) 00:24:12.83 ID:kiu8IDYv0
>>567

ありがとう
進行が早いのが心配
50前といったが、40前かもしれないし、それはまだ分からない



569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/03/05(月) 00:23:31.36 ID:qj4AImRko
それなら、自分が信じた道をゆけ
その道を雅さんに受け入れてもらう為に、君の全てを曝け出せ
生い立ちから、現在の自分と、お互いの両親にどう話をするのか
それらの考えを纏めて、雅さんに話せ

そして、それから自分の決意を再度、自分の言葉で伝えろ



571 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/05(月) 00:25:20.95 ID:kiu8IDYv0
>>569

うん
そのつもりだったから俺の家に呼んだ



572 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/05(月) 00:30:02.63 ID:kiu8IDYv0
寝る
また明日にでも報告来るよ



573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) 2012/03/05(月) 00:40:49.55 ID:SwC0iKR4o
辛さと幸せが隣り合わせな人生になるかもしれんが
頑張ってくれ
月と雅さんに奇跡が起こる事を願うよ



575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(三重県) 2012/03/05(月) 01:23:09.10 ID:EudfSKKGo
月君お疲れ様。自分の気持ちに素直に向き合って頑張ってくれよ


576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) 2012/03/05(月) 01:27:01.63 ID:y4QxhC6vo
結構重いな



でも月が変わらない意識でよかったよ

残りの人生をすべて雅さんに捧げて何もかも諦める
そんな覚悟でいけよ

じゃないと障害者と一緒になんていられないよ



581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) 2012/03/05(月) 20:48:27.32 ID:Jp29T1gy0
月の気持ちは固まっているんだな
それでいいよ
周りがなんと言おうと、そのまま信じた道を突き進め

ちなみにうちの嫁は難病を抱えていたせいで、不妊治療をしても
子供ができなかった
長男長女だったこともあり、双方の両親や祖母にいろいろ言われ
たりしたが、俺は「今のままでも十分幸せだから気にするな」
と言い聞かせていたな。

幸せの尺度は人それぞれ
だから、お互いに幸せと思える道を歩んでくれ



587 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 19:26:55.32 ID:sLbAi9ak0
ただいま


588 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 19:27:33.77 ID:sLbAi9ak0
人いたら書きます
一応短く切りながらでも、報告したいので



590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/03/06(火) 19:32:25.34 ID:NUKTkIlO0
いますよー


593 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 19:33:30.55 ID:sLbAi9ak0
まず簡単に

俺がこの前雅のところに行ってきたときに、俺は彼女が一人暮らししているアパートに招き入れられた
そこで彼女から例の秘密をすべて伝えられた
伝えていた彼女も勇気を振り絞って言ってくれていて、俺もそれに答えた
でも、彼女が「ちゃんと考えてほしい」と言うことですべてを先送りにしたんだ

で、昨日俺はその固まった自分の考えを伝えるために彼女を家に招待したって感じ

これから報告することは彼女とのやりとり中心です



596 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 20:18:55.84 ID:sLbAi9ak0
じゃあ書いてく


598 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 20:23:48.24 ID:sLbAi9ak0
昨日の夕方、俺は食事をつくっておいた
これは勿論雅と一緒に食べるためだ
作ったのはカレー

夜6時過ぎになると、俺はコートを羽織って駅前に向かった
バスに乗り、駅前に着くと彼女はまだいなかった

それから10分くらい過ぎた頃に白いコートを纏った彼女がエスカレーターから降りてくるのが見えて、俺は改札に向かって歩き出した
それに気付いた彼女は俺に笑顔を見せて手を振った
でも、彼女の笑顔からはどことなく不安そうな感じが見て取れた



599 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 20:29:19.89 ID:sLbAi9ak0
俺は雅が来たので、手を差し伸べた
彼女もそれを手に取り、俺達は手を繋ぎながらバス停へと向かった

昨日は気温が暖かくて、寒くはなかった
バスを待っている時に雅は俺に話しかけてきた

「ねえ月。今日本当に家に行っていいの?」
「うん。だから呼んだんだよ」
「そうか…」
「飯は食ってないよね?」
「食べてないよ。どこかで食べるの?」
「いや。それは秘密だ」

俺が含み笑いをしていたのに気付き

「なにそれ。なにか企んでるんでしょ?」
「何も企んでないよ」
「本当かな?」
「本当。信じて」
「なら信じてやる」

俺は一つ間を置いて話題を変えた

「それと、ちゃんと話をしておきたいこともあるから」
「あ…うん…」

雅の顔が強張った



600 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 20:33:33.90 ID:sLbAi9ak0
バスに乗り、アパートの最寄りのバス停で降りて、また手を繋いで歩きだした

「え?ごはんは?」
「別に外じゃなくてもあるだろう」
「え?」

そういって、俺はアパートの自分の部屋ドアを開けた
開けた途端カレーの香りがする
それを雅も嗅いだのか

「もしかしてカレー?」
「ピンポン」
「本当?嬉しいな。あたしカレー好きだから」
「ならよかった」

彼女は俺のアパートに入る
彼女がコートを脱ぐと俺に手渡し、それをクローゼットの中にかけた

「雅。適当に狭いけど座ってて」
「え?あたしも手伝うよ」
「いいって」
「もう。手伝うから手伝うの!」

こういうと雅は聞かない



601 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 20:42:01.32 ID:sLbAi9ak0
俺はカレーを温め、事前に炊いておいたホカホカのご飯にかけた
雅はテーブルを拭いて、冷蔵庫にある野菜でサラダを作ってくれた
なんだか、俺は夢のようだった
こんなふうに一緒に料理が出来て、それでいて俺のすぐそばに大好きな人がいるんだから

すべてが完成するとそれらをテーブルへと運ぶ
俺達は対面する形で座り、食事をし始めた

「ねえ。美味い?」
「おいしい!ありがとう!」

ニコニコしながら食べる彼女を見て、俺は笑みを隠せなかった
幸せだったんだ

食事が終わり、二人でテレビを見て楽しんでいた

楽しい時間は早く過ぎるもので、気付けばもう10時前になろうとしていた

すると彼女がベッドに腰をかけたまま窓を眺め始めて、俺にこういった

「ねえ。電気消して月を一緒にみようよ」

俺は部屋の電気を全部消すと、肩を並べてベットに座っている俺達を月明かりが照らした




602 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 20:59:03.88 ID:sLbAi9ak0
「ねぇ…月。月が綺麗だよ…」
「ああ…綺麗だね」

しばらく沈黙が続く
すると、雅が口を開いた

「あたしの秘密聞いて、正直引いたでしょ?」

突然のことで俺はびっくりした
でも、今日の俺の目的はすべてこのことにある

「いや。引いてなんかいない。本当にどうやってお前を包んだらいいか考えてた」
「え…?」
「それに将来のこと考えてた」
「どういうこと?」
「もし将来雅が失明して、俺はどうやってお前に光を与えたらいいのかなとか。それに一緒に歩く時は
は俺の肩をとかにつかまったり、服を掴みながら歩くのかなとかさ。それに子供は多分…無理だろうなとか


雅は何も言わないで俯いていた

「それで日常生活でも、夜トイレとか行けない時は俺一緒に付き添わなきゃいけないんだよなとか」
「つまり、どういうことなわけ…」

彼女がそういうと彼女をこっちに向かせ、俺は俯いていた彼女の顔を手で上げた
俺は彼女の目を真剣に見つめてこういったんだ



604 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 21:12:10.17 ID:sLbAi9ak0

「あれこれ色んな事考えたけどさ…俺やっぱりお前のこと諦められないわ。…無理。お前しか愛せねぇからさ」
「え…でも、あたし…」

俺は彼女の言葉をさえぎるように彼女の体を抱きしめた
耳元で彼女の嗚咽が聞こえてくる

「あたしが将来月の姿見えなくなって、月のことちゃんと見れなくなってもいいの?沢山一緒にいることで迷惑かけちゃってもいいの?
赤ちゃんも産めない体だけどいいの…?」
「うん」

俺は抱きしめていた力をさらに強めた
そして背中をポンポンと叩いた

「体けがれてるよ…?」
「何言ってんだよ。綺麗じゃねぇか。俺の目にはなによりも美しく映ってるよ」

「ねぇ…月。光を失うのが怖いよ…月が見えなくなるのが怖いよ…」
「大丈夫。俺がお前の目になって、光になる。安心しろ。俺はお前を絶対に離さねぇから」

俺の胸で彼女は声を出して泣いた
俺は頭を撫で、そして溢れ出る涙を手で拭った

「あたしね。夜もう目が見えづらいんだ」
「ああ。でも、俺の顔が見えるか?」
「すこし。でもその距離じゃ見えない」
「ならこれは?」
「まだ」

俺と雅の鼻と鼻がくっつきそうになると、俺は彼女の首に腕をまわし、キスをした

「雅。愛してる」

その後俺は彼女を抱いた
月明かりに照らされながらだったけど、雅は綺麗だった




605 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 21:14:30.22 ID:sLbAi9ak0
朝を迎え、俺は雅に告白した
すると
「よろしくね」

という返事だった



以上報告終わり



606 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 21:17:15.90 ID:sLbAi9ak0
俺と雅は正式に交際することになりました


607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/03/06(火) 21:17:39.38 ID:smHK6mi0o
たとえ険しい道のりであっても
ふたりで歩く路が、春の陽の暖かさに包まれるよう、祈っている



608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/03/06(火) 21:18:34.91 ID:aBeXU0qOo
おつかれ



609 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 21:19:26.66 ID:sLbAi9ak0
ありがとう
今まで支えてくれて感謝



610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(北海道) 2012/03/06(火) 21:21:51.54 ID:smHK6mi0o
>>609
雅さんの為にも、曲を作れよ、月君
音楽なら、眼を閉じていても感じられる



611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/03/06(火) 21:22:41.84 ID:2dlYGC+so
これから辛い思いをすることもたくさんあるだろうけど、
二人なら乗り越えられると信じているよ。

月と雅と、二人で幸せになってくれな。



613 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 21:25:35.80 ID:sLbAi9ak0
>>610

考えておくけど、俺には違う方向でアプローチできるかなって考えてはいる


>>611

ありがとうね
乗り越えるよ



612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/03/06(火) 21:25:12.10 ID:NUKTkIlO0
目は見えなくとも、幸せにはなれると思うんだ
そして、2人ならできると思ってるよ

お幸せに



615 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 21:26:50.54 ID:sLbAi9ak0
>>612

うん


さて、このスレも終わりにしようと思うよ
みんなありがとうね



614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) 2012/03/06(火) 21:26:13.60 ID:4JFMSsrWo
ホント、お幸せに!!


あれ、目から汗が…



616 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 21:27:30.74 ID:sLbAi9ak0
>>614

ありがとう
俺も帰ってから泣いた



617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(三重県) 2012/03/06(火) 21:29:14.22 ID:3QHA2XB7o
中学から目の病気が発症していたってことは、月と夜の散歩をしてたころからもう雅は夜になると目が見えづらくなってたの?


619 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 21:30:17.45 ID:sLbAi9ak0
>>617

なのかな
深くまでは聞いてないんだ
でも、街灯ないとことかだと見えづらそうだった



618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/03/06(火) 21:30:09.18 ID:2dlYGC+so
いい話をありがとう。
また相談したいことができたら、いつでも戻ってきてくれよ。



620 :月 ◆WigmqqtyBE 2012/03/06(火) 21:31:04.77 ID:sLbAi9ak0
>>618

ああ



じゃあみんなの幸せを俺も切に願っています
さよなら



621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/03/06(火) 21:31:26.40 ID:E1QB5PkDO
やっぱカッコいいな

あと、惹き付けられる文章に感動した

二人の幸せを祈る



622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/03/06(火) 21:32:24.96 ID:6/hqKvQvo
おめでとう。

月なら雅を支えていけるよ。

お幸せに!



627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) 2012/03/06(火) 22:13:05.27 ID:4vzgjCw3o
今のうちに一緒に色んな景色見ておいて、
もし彼女の光が無くなってしまっても
今度は色んな音楽を一緒に聴くといいよ

それから、たくさん彼女を抱いてあげてな



629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) 2012/03/06(火) 22:58:15.85 ID:8Pe0Q1Hxo
月と雅の今後の幸せを心から願っておく

月ならなんでも乗り越えていけるはず

がんばれ



634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2012/03/07(水) 00:14:42.70 ID:GYSTCKwDO
自分も先天性の目の障害があるから 被った
泣いた

雅さんが幸せになれたら、俺も勇気もらえるような気がするよ
頑張ってほしいです 二人には



644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関東・甲信越) 2012/03/09(金) 04:13:25.10 ID:t2q32iJAO
綺麗な物を見せてくれてありがとう